米国の石炭火力発電ブームは、クリーンエネルギー推進でアジアが西側諸国に先んじる一因となっている。

[Financial Express]コロラド州リトルトン、12月11日(ロイター):中国、インド、日本、ベトナムなどアジアの主要経済国は、2025年に米国や欧州よりも大規模な発電システムのクリーン化を進めており、2026年に向けてエネルギー転換の勢いに東西の乖離が生じる可能性がある。

エネルギーシンクタンク、エンバーのデータによると、2025年の最初の10カ月間で、主要電力市場の中で前年に比べて発電の炭素強度が上昇したのは米国のみだった。

米国の炭素強度上昇の主な要因は石炭火力発電の約13%増加であり、これにより米国の電力部門の化石燃料使用による排出量は3年ぶりの高水準に達した。

欧州の電力会社も今年これまでに2024年と比較してCO2排出量全体を増加させており、一方中国、インド、日本、ベトナムではいずれも化石燃料発電によるCO2排出量が今年これまでに減少したと記録している。

北半球では冬が近づいており、今後数か月間にアジア、ヨーロッパ、北米全域で化石燃料による発電量が増加すると予想され、すべての主要電力システムの炭素強度が上昇するでしょう。

しかし、国内の天然ガス価格の急騰を受けて、米国の電力会社はよりクリーンな天然ガス発電所よりも石炭火力発電所の発電量を増やすことを選択しており、炭素排出量の増加に関しては米国が引き続きトップを走る可能性が高い。

過去5年ほどの間に、すべての主要電力システムは炭素強度、つまり1キロワット時(キロワット時)の電力生産あたりに排出される二酸化炭素(CO2)の量を削減してきた。

しかし、2019年以降、一貫して年間の強度の低下を記録することに成功したのは中国だけであり、その主な要因は、公益事業会社が化石燃料への依存を減らすことを可能にしたクリーン電源の世界的な導入である。

エンバーのデータによれば、2025年1月から10月まで、中国の電力出力の炭素強度は平均562グラム/キロワット時となり、2019年の約670グラム/キロワット時から増加した。

一方、他の主要電力システムでは、電力需要の増加、不安定なクリーン電力供給、電力政策の転換などが重なり、発電構成の変化が起きたため、2019年以降、炭素強度が少なくとも年間1回は上昇している。

しかし、これまでのところ2025年に増加を記録しているのは米国のシステムのみであり、1月から10月までの1キロワット時あたりのCO2排出量は平均383.3グラムで、2024年の同じ月の381.2グラムと比較して増加している。

欧州の平均炭素強度は今年これまでに2024年比で約2%減少しており、インド(5%減少)、日本(3%減少)、ベトナム(2%減少)でも減少が記録されている。

アジア経済は、欧州や北米の主要電力網に比べて、依然として石炭への依存度がはるかに高い。

インドは今年これまでの電力の約70%を石炭で発電しており、中国の石炭シェアは55%、ベトナムは48%、日本は27%程度となっている。

対照的に、欧州では今年、石炭火力発電所による発電量は全電力供給量の13%未満にとどまり、一方、米国の石炭火力発電量は約16%となっている。

しかし、今年これまでのところ、全体的な発電構成における石炭のシェアが急上昇している主要電力市場は米国のみであり、これが米国の炭素強度の推移が他の地域の傾向と一致していない理由である。

今年これまでの米国の石炭シェアは約16.1%だが、2024年には14.6%となる見込みで、前年と比べて石炭火力発電所から供給される電力供給のシェアが11%増加することになる。

実際、エンバーのデータによれば、石炭火力発電所は今年、米国における電力供給増加の圧倒的な最大要因となっており、1月から10月までの総電力供給増加の約73パーセントを占めている。

他のすべての主要電力市場では、供給増加における石炭のシェアははるかに小さく、インドでは石炭火力発電による追加発電が電力供給全体の増加の半分しか占めていない。


Bangladesh News/Financial Express 20251212
https://today.thefinancialexpress.com.bd/trade-commodities/us-coal-binge-helps-asia-pull-ahead-of-the-west-in-clean-power-push-1765468966/?date=12-12-2025