内閣は昨日、長期プロジェクトの投資に使う外貨準備金を元にした基金の設置を承認した。
“ソブリン・ウェルス・ファンド”(政府系ファンド)と呼ばれる基金は今年7月に設置され、電力やエネルギー、大型インフラプロジェクトなど、7分野で使われる。
「基金は当初20億ドル(2235億円)で、5年かけて段階的に100億ドル(1兆1176億円)まで増やしていきます」
会議後、M・シャヒウル・アラム内閣官房長官は記者団に話した。
「準備金が300~320億ドル(3兆3527億円~3兆5762億円)あるとして、そこから20億ドル差し引いても経済に悪影響はありません」
原則として、内閣承認のため、法律と枠組みが策定されることが決まったという。
ソブリン・ウェルス・ファンドは来年度からスタートし、予算配分が行われると、財務省担当者は話した。
2015年、政府は基金の具体的数値を出すため、バングラディシュ銀行のSK・サー・チョードリー副総裁を代表とする7名の委員会を結成した。チームは昨年12月、AMA・ムヒト財務相に報告書を提出した。
昨日、財務相は委員会の勧告に基づき、閣議でこの問題を取り上げた。
「内閣がこの提案を承認すれば、次の国会でそのための行動を示すことをができるでしょう。政府はこのプロセスを3?4ヶ月で完了します」
ムヒト大臣は12月に報告書を受け取った際、記者団に話していた。
基金は独立した法律によって形作られ、執行者や理事会の任命規定がなければならない。インフラ用の大規模な資金調達や適切なリスク管理に対応できる効率的で専門的な財務管理者チームが管理すべきであると、委員会報告書は述べる。
また基金調達を見直し、理事会へ勧告を行うため、著名な市民や金融専門家からなる諮問委員会または専門家パネルを結成する可能性があると指摘した。
資金提供するプロジェクトを選択するときは、任期が長く、経済的に実行可能であることが保証されなければならない。
外資系銀行から融資を受けてプロジェクトを進める場合、政府は外貨で“マッチングファンド”(市民・企業・行政等が資源を持ち合い、 より規模の大きい活動を実現させるために共同で寄付や補助金といった資金を提供しあう制度)を提供しなければならない。時にはこの基金支援のため、必要な手続きが行われないことがある。内閣官房長官は話した。
ソブリン・ウェルス・ファンドが結成された場合、最大のメリットはそこから“マッチング・ファンド”を提供できることだと官房長官はいう。
委員会報告書は、国庫通貨建ての国債を発行することで、中央銀行から外貨を購入することができると述べる。この場合、予算内に適切な規定が設けられる。
近年、多くの中央銀行は流動性や為替相場の管理ニーズを上回る準備金を積み上げ、ほとんどは流動性の高い短期資産以外の資産に分散させている。
公的資産所有者を分析する米国のソブリン・ウェルス・ファンド・インスティテュートによると、2016年9月現在、世界の政府系ファンドは前年比0.76%増の7.4兆ドル(827兆円)だという。
2008年にはその額は3.4兆ドル(380兆円)だった。
ノルウェーの政府年金基金の規模は、世界1位にランクされている。中国投資院、アブダビ投資庁、サウジアラビアのSAMA外国投資信託、クウェート投資庁がトップ5に入る。
バングラデシュのソブリンファンドは中国のファンドのようなものだと、委員会は述べている。
バングラデシュ/The Daily Star Feb 07 2017
http://www.thedailystar.net/frontpage/10b-fund-big-projects-1357201
翻訳:吉本
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