
【The Daily Star】新型コロナウイルスパンデミック第2波による経済への壊滅的な影響を反映して、政府は2020-21会計年度(7月~6月)の国内総生産(GDP)成長率予測を6.1%に下方修正した。
政府は当初、現会計年度のGDPを8.2%増加させることを目標としていた。その後、目標は7.4%に引下げられた。
新たな成長目標は、AHMムスタファ・カマル財務相が議長を務める財政調整会議で決定された。会議には財務省やバングラデシュ銀行、その他関係省庁のトップも出席した。
出席した関係者によると、来年度のGDP成長率目標は7.2%に設定される可能性があるという。
「第8次5カ年計画で非現実的に予測した8%という非常に高い成長率を期待することはできません」
エコノミストのビナヤク・セン氏は本紙に述べた。
「しかし、今後2~3年間、万人のための幅広い医療や堅調な農業の成長、極貧層と貧困層への社会的保護を伴いながら5~6%の安定した成長率を達成できれば、経済と国民にとって良いことです。それは中期的な政府の収入に関する現実的な期待にも合致します」
政府は2021-22年会計年度で拡大予算を計画している。その規模は6兆248億4千万タカ(7兆9614億円)でGDPの17.3%に相当する。
次期予算では、ワクチン購入及び製造、景気刺激策、貧困層を飢えから守る保健分野が優先される可能性がある。
昨日の会議で保健省は、ワクチンの輸入と生産のための大幅な予算配分を提案した。
政府は今年度、保健分野に1千億タカ(1321億円)を割り当てているが、このうち、約250億タカ(330億円)をワクチンやその他関連機器に使う。また、100億タカ(132億円)は最近発表された新たな景気刺激策に基づき、貧困層350万人への現金支援に使われる。
セン氏は、次期予算は特に都市部における公衆衛生と社会保護を重視し、農村部貧困層に対しては農業を最良のセーフティネットとして重視すべきだとした。
「公衆衛生の領域ではワクチン生産について真剣に検討し、ワクチンの多様化を奨励すべきです。また、バングラデシュは高リスク、高密度の国のため、衛生と感染症の分野での研究開発にもっと投資すべきです。新型コロナ感染者の60%はダッカ、20%はチャトグラムであることからして、都市の一次医療インフラのネットワークを区レベルで拡大すべきです」
政府は22年度の年次開発プログラム(ADP)を2兆2512億4千万タカ(2兆9749億円)だと発表した。
また、21会計年度の予算を当初の5兆6800億タカ(7.5兆円)から、5兆4028億6千万タカ(7.13兆円)に下方修正した。
一方、22会計年度の歳入目標は3兆8907億9千万タカ(5兆1414億円)となる可能性がある。国家歳入庁(NBR)には今年度の目標とほぼ同様の3兆3千億タカ(4兆3607億円)の獲得が要求される。
また、次期予算ではインフレ率を今年度の5.4%から5.3%に抑えることを目標とした。
一方、21会計年度の財政赤字はGDPの約6%に設定されたが、7月1日からの22会計年度は6.1%への引き上げが認められる可能性がある。
セン氏によると、来年度の予算は拡大的な財政・金融政策を採用する可能性があるという。だが、会計年度の当初8カ月間でADP配分の20%しか使うことができなかった保健省の実施能力の低さに見られるように、各省庁の能力が制約となっている。
Bangladesh News/The Daily Star Apr 26 2021
https://www.thedailystar.net/business/economy/news/gdp-growth-target-cut-again-2083905
翻訳編集:吉本