電気なしで冷やし続ける

電気なしで冷やし続ける
1314字

5年以上前、ディナージプルDinajpur県コホロルKaharol郡カムラプールKamlapur村の種商人トーヒドゥル イスラム バクルさんは夢を持った。低温貯蔵施設を作ろうと。だがそれは少々違うものだった。建てるのは電気を必要としない伝統的な貯蔵施設だった。

地面の上にブロックと竹で壁を作り、稲わらで屋根を覆った。2011年、ビラゴンジ近くのジャグダル地区に110トン貯蔵できる施設を作り始めた。

竹のフローリングや棚を備えた施設の真下には、冷却装置としてだけではなく、魚を養殖できる貯水池もあるのが特徴的だった。このユニークな建物には、空気や光を通過させるために小さな穴もある。

「私は56.2万タカ(74.9万円)で、2デシマルの土地に低温貯蔵施設を作りました」とバクルさんはいう。完成したのは2012年2月2日、それ以来施設は正常に作動している。

「構造と冷却システムは自然にあるものしか使ってないので、私はこれを自然冷蔵庫と呼びます」

ジャガイモや瓢箪、キュウリなど腐りやすい作物は6ヶ月ぐらい、カリフラワーは1ヶ月、キャベツは75日は難なく保存できる。全く電気代を使わずに。

地元農家のピューレン ロイさんはいう。電気冷蔵庫だとジャガイモ75キロで350タカ(468円)請求される。自然低温貯蔵施設だと同じ量が75タカ(100円)で済む。

「この5年間、バクルさんの自然低温貯蔵施設で生産物が腐りかけたという話は聞いたことがありません。だけど電気貯蔵施設は停電したときなど、大きな問題が起こることがあります」

自然低温貯蔵施設は農作物を効率的に安く保存できるので、地元農家の期待は高まっている。地元の農業振興局職員ニクヒル チャンダー ビスワスさんはいう。

「作るとき、コストはかかりましたが、維持費はごくわずかです。そのうえ貯蔵コストはゼロなのです」
バクルさんはいう。

バクルさんの施設の成功により、伝統的な貯蔵施設は他の場所でも作られ始めた。

ラジシャヒ管区ジョイプールハットJoypurhat県パンクビビPanchbibi郡クアトプル村の農家シャヒドゥル イスラムさんは、小さな貯蔵施設を作った。
「私は今年の3月からジャガイモ貯蔵に使っていますが、まだいい状態のままです。農家がみんな自然低温貯蔵施設を使えば、農作物を廃棄する必要はありません」

バクルさんによると、ディナージプル県の自然低温貯蔵施設の成功が認められ、ここ4年ほどの間にNGOマニュシェルジョンノ(Manusher Jonno)財団や市場開発プロジェクトカタリスト(Katalyst)、コンサルティング会社Gmarkの援助を受け、チッタゴン管区カグラチョリ(Khagrachhari)県、バンドルボン(Bandarban)県ラジシャヒ管区ボグラ(Bogra)県、ジョイプールハット(Joypurhat)県など、他の県でも自然低温貯蔵施設が作られるようになったという。

農家は自分の必要に応じ、20~200トンの容量を持つ自然低温貯蔵施設を作ることができる。

The Daily Star July 28 2016
http://www.thedailystar.net/country/5-yrs-still-works-properly-without-electricity-1260511
翻訳:吉本

#バングラデシュ #ニュース #貯蔵施設