教育に変革を

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バングラデシュは初等教育の普通教育化を2055年に、前期中等教育の普通教育化を2075年に、後期中等教育の普通教育化を次世紀に達成することを期待されている。

ユネスコ(国連教育科学文化機関)による新しい世界教育調査(GEM)報告に、こんな発見が記された。

GEM報告は"持続可能な開発のための2030アジェンダ"で形作られた世界的目標の全ての前進を、教育が生み出す可能性を示している。
さらにその可能性を引き出し、人道や地球が現在直面している困難に対処するため、教育は大きな変革を必要としていると示した。

「(バングラデシュの)全ての学校やコミュニティ、企業は、地球に優しい産業や生き方の実現に向けて進むための技能や知識を、若者たちに確実に持たせる必要があります」
GEM報告書の責任者アーロン ベナボット氏はバングラデシュ総合ニュース(UNB)に話す。

バングラデシュでは過去10年間、洪水や竜巻が数千の学校を破壊し、一方で世界の多くの場所でも気候関連の災害が学校システムを荒廃させたとベナボット氏。

「差し迫っている環境的・社会的な問題に対処しようとすれば、私たちが何をどのように学んでいるかについて、厳しくじっくり顧みる必要があります」
ベナボット氏はグローバル教育政策の分析や比較研究を数十年間行っている。

ベナボット氏は質問に対し、バングラデシュは世界の他の多くの国と同様、グローバル教育に対する責任の達成は数十年遅れであるという。

「この流れを変えるには新しい政策や画期的なアプローチを取らねばなりません。しかし最も困難な環境問題と闘うため必要な考え方への変化はひとりで生じるものでも、我々の望みを生徒たちに押し付けることで生じるものでもありません」
ベナボット氏は説明する。

バングラデシュは世界で最も人口が多く、最も洪水被害を受けやすい国のひとつだ。気候の専門家は2050年までに2700万人が海水面上昇による危険にさらされることになると推定する。

「洪水の頻度が増していることもあり、農村部から多数の環境難民が人口密度が高いダッカ(Dhaka)のスラム住民になっています。学校制度が気候関連問題に当たり前のように影響されるのは驚くべきことではありません」
GEM報告書の通信と政策提言の専門家ケイト レドマン氏がUNBに話した。

「国際開発における教育の役割について考えるには、根本的な変化が必要です。なぜなら教育は個人の福祉や地球の未来に対し、触媒的な影響力を持つからです」
「現在の教育はこれまで以上に21世紀の課題や大志を動かす歯車となり、持続可能で包括的な成長、平和的共存につながる正しい価値や技能を育む責任があります」
ユネスコのイリナ ボコヴァ事務局長は話した。

成人のうち最貧国に住んでいるのはわずか6%だが、バングラデシュ人で読み書き講座に参加したことがあるのは1%に満たない。

バングラデシュでは国家指導要領・教科書委員会が、気候変動や健康保護に関する学校マニュアルを準備・承認した。その後30校の生徒1515人がマニュアルに基づいた講習を受け、一方30校の生徒1778人は気候変動や健康問題に関して書かれたリーフレットを受け取った。

6ヶ月後、両校で行われた事後調査の結果、問題に関する生徒たちの知識は講習によって大きく向上したことが明らかになった。

バングラデシュでは、女子が教育を受ける割合が増えたことが出生率の大幅な低下を促進し、出生間隔の拡大に貢献したと思われる。

出生間隔の中央値は1991年から2007年の間に26パーセント増加し、44ヶ月となった。2007年時点で、中等教育または高等教育を受けた女性の出生間隔は、読み書きできない女性に比べ約40パーセント大きかった。

バングラデシュを含む多くの国では電力へのアクセスが教育の成果に対して良い影響を見せる。

教育の不平等は不均衡の拡大に相互作用し、暴力や紛争の危険性を高める。

100ヶ国の50年以上にわたるデータを利用した最近の研究では、学校教育での不均衡度が強い国ほど紛争が起こりやすいと判明した。
報告書では各国政府に対し、教育における不平等を真剣に受け止め、家族から直接情報を収集して不平等を監視していくよう求めた。

国際開発の新たなアジェンダは各国の教育大臣や教育関係者に対し、他の部門と協力して事に当たることが要請された。

The Daily Star Sep 06 2016
http://www.thedailystar.net/backpage/sea-change-must-if-education-help-achieve-dev-goals-1281376
翻訳:長谷川
#バングラデシュ #ニュース #教育 #変革