ESCAP着実な成長を予測


国連はバングラデシュの今年と来年の安定した経済成長を予測すると同時に、高まる不平等と貧困削減の遅れに懸念を表明した。

国連アジア太平洋経済社会委員会(ESCAP)はバングラデシュのGDP成長率を2016年は6.8%、2017年は7%と予測した。

予測は主に雇用の着実な成長、低いインフレ率により支えられる国内消費、労働者の送金額、そして公共部門の賃金上昇に基づいている。ESCAPの経済事務官シュボジット バネルジー博士(Shuvojit Banerjee)は話した。

だが高まる不平等と貧困削減の遅れに懸念は残っている。バネルジー博士は、ダッカのIDBボボン(Bhaban)で開催されたアジア太平洋経済社会調査2016の開会式で話した。

政策対話センターの著名な研究員であるデバプリヤ バッタチャリヤ(Debapriya Bhattacharya)氏は、調査結果に言及しながら、同国のGDP成長率はすばらしいが、それは貧しい人々に利益をもたらさないかもしれないと話した。

1日当たりの収入が1.25ドルという基準で考えると、国の人口の3分の1が貧困層である。しかし1日当たりの収入が1.9ドルという新しい基準で考えた場合、貧困層の割合は40パーセントにまで上昇するかもしれないとバッタチャリヤ氏。

ESCAPの年次報告書はバングラデシュに関する別の章で、国の総輸出の80%以上を占める衣料品の輸出は、ヨーロッパからの注文の抑制や安い綿花価格が原因で低迷していると述べた。

海外労働者から相当な送金があるにもかかわらず、強力な輸入需要と不活発な商品輸出は、収支を2015年GDPの0.8%の赤字へと押しやった。これは3年ぶりの赤字だ。

低迷が長引く場合、先進国への輸出に依存しているバングラデシュにひどく影響を与えるだろう。その上、ラオスやカンボジアなどの国々がバングラデシュより競争力を持つかもしれない。

バッタチャリヤ氏は、政府は労働市場の需要に一致する質の高い教育に重点を置くべきであると述べた。より多くの雇用を創出するための投資を増加させ、健康と教育部門の予算配分を上げる必要性があると。


The Daily Star April 29 2016
http://www.thedailystar.net/backpage/escap-forecasts-steady-growth-bangladesh-1216294