4人が世界食糧賞受賞

4人が世界食糧賞受賞
バングラデシュの科学者が、世界で初めて亜鉛強化米を生み出す支援をしたある国際組織の創設者が、他の3人の栄養強化作物の先駆者とともに、今年の世界食糧賞を受賞することになった。

昨日、ワシントンDCの米国国務省の式典の中で、ハーベストプラスの創設者であるホワース(Howarth)ボウィス(Bouis)氏と、国際ポテトセンター(CIP)の3人の科学者マリア アンドラーデ氏、ロバート ムワンガ(Mwanga)氏、ジャン ロー氏が、2016年世界食糧賞受賞者として発表された。。

世界食糧賞事務局とハーベストプラス バングラデシュは、4人の受賞者は10月13日、米国アイオワ州デモインにあるアイオワ州議会議事堂で開催される授賞式で賞を受けとると述べた。

ノーベル平和賞受賞者ノーマン ボーローグ氏により1986年に創設された世界食糧賞は、飢餓を緩和し、世界の食料安全保障を促進する画期的な成果を成し遂げた個人に贈られる、世界で最も有名なな賞だ。昨年の受賞者はファズレ ハサン アベッド氏だった。ノーベル平和賞受賞者ムハマド ユヌス氏も1994年に世界食糧賞を受賞している。

25万ドルの賞金は4人の受賞者で均等に分けられる。主要作物に重要なビタミンや微量栄養素を仕込んで栄養価を高め、世界の飢餓と低栄養状態に対処するという彼らの研究に対してその賞金が贈られる。

科学者仲間内ではハウディ(Howdy)として知られているホワース ボウィス氏は、過去25年間、世界的な植物育種戦略家として、栄養価を高めるマルチ制度的アプローチ実施の先駆けとなってきた。

ボウィス氏は単に人々がどれだけのカロリーを取っているかが重要なのではなく、食事に含まれた栄養価が重要であると認識していた。今日、世界の3人に1人である20億人以上が、必須ビタミンやミネラルを十分に取れていない。栄養不良は5歳未満の子どもの死の、ほぼ半分の原因になる。5歳未満の子どもの3分の1以上が、アフリカや南アジアで発育阻害になっている。

ボウィス氏は主要作物の栄養の質を改善するため、それらに重要なビタミンや微量栄養素を直接仕込み、栄養価を高めることを進めてきた。

ボウィス氏のリーダーシップのおかげで米、豆、小麦、トウジンビエなどの作物は、生物学的に鉄と亜鉛の栄養価が高められ、ビタミンAを高めたキャッサバ、トウモロコシ、中身がオレンジ色のサツマイモ(OFSP)とともに、40ヶ国以上でテストされたり販売されたりしている。

1988年以来サツマイモを研究してきたCIPのマリア アンドラーデ氏、ロバート ムワンガ氏、ジャン ロー氏は、単一で栄養価を高めることに最も成功したOFSPを開発した研究が、高く評価されている。

この4人の受賞者の努力のおかげで、1千万人以上の人々が栄養強化作物に助けられ、今後数十年で数億人以上が同じように助けられるだろう。

ハーベストプラスの支援の下、バングラデシュは2013年以来、栄養素として亜鉛が強化された稲5品種を発売してきた。5品種とはバングラデシュ稲研究所(BRRI)による4つの近交系品種とボンゴボンドゥ シェイク ムジブル ラーマン農業大学による1つのハイブリッド品種だ。

ハーベストプラスの活動は、バングラデシュ64県のうち58県(2015年)350郡の5万の農家におよび、2016年には活動を64県に拡大し、約50万の農家に影響を与えている。

現在ハーベストプラスは6つの政府機関、25のNGO、2つの種子マルチプライヤー協会(300社)と協力している。

作物が販売されている国はバングラデシュ(亜鉛強化米)、コンゴ民主共和国(鉄強化豆とビタミンA強化キャッサバ)、インド(鉄強化トウジンビエ、亜鉛強化米と亜鉛強化小麦)、ナイジェリア(ビタミンA強化キャッサバとトウモロコシ)、ルワンダ(鉄強化豆)、ウガンダ(ビタミンA強化OFSPと鉄強化豆)、モザンビーク(ビタミンA強化OFSP)、ザンビア(ビタミンA強化トウモロコシ)、パキスタン(亜鉛強化小麦)などがある。

ハーベストプラスは、国際農業研究協議会(CGIAR)が運営する栄養と健康のための農業研究プログラムに参加している。CGIARは食料の安全な将来を研究する世界的な農業研究組合だ。

The Daily Star June 30 2016
http://www.thedailystar.net/backpage/four-get-world-food-prize-1247857

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