衣料品業界の心配(後)

しかし金曜日の事件は、外国人に対して背筋の凍るような衝撃を与えた。

過激派は外国人に人気の高級レストランをターゲットにしており、殺された人々の中にはイタリア人の衣料業界の企業家も含まれていた。

「バングラデシュでこれまでにこんなな恐ろしい事件が起きたことはないんです」
バングラデシュ衣料産業&輸出協会会長のムハンマド・シディクラ・ローマン氏はいう。

「これは我々の業界に対するイメージの点で、厳しい痛手になりました。ビジネスを進めるうえでの逆風になることは間違いありません。それがどの程度になるのか、今の時点ではわかりません」

フランスの衣料バイヤーのために、バングラデシュを拠点に活躍するある社の幹部は、今後のビジネスの不振を恐れていると話してくれた。

ほかの業界の調査によると、近年、西欧の顧客との会議は、シンガポールや香港のようなバングラデシュ以外の国で、より頻繁に行われるようになっており、これらの対応などで、安全上の懸念は解決できるとも言われる。

「外国人にとって、バングラデシュの工場を訪問することや、会議を開催することに対する懸念は、数ヶ月続くでしょう。しかし、私はせいぜい6ヶ月程度だと考えます。その後は状況は緩和し、事態は通常通りになるでしょう」
ブラザーズファッション株式会社のアブドラ・ヒル・ラキブ輸出部長は話した。

バングラデシュから衣料を輸入しているスウェーデンの「H&M」と、英国の「マークスアンドスペンサー」グループは、彼らのバングラデシュでの業務は、ただちに影響を受けることはないと話している。

両社とも、状況を監視中ではあるが、彼らの雇用している労働者は今回の事件ではとくに影響を受けておらず、調達先をバングラデシュから変更する予定もないと話した。
H&Mの広報担当者は、詳細な説明は控えつつも、雇用者を守るための「安全基準」を持っていると話した。

バングラデシュの衣料業界は、世界の中で最も低い賃金、正確な技術、中国が近年は生産者としての競争力が低下しているという理由から、回復可能性を持っている(バングラデシュの衣料労働者の最低賃金は$68であり、中国本土は約$280である)。

Prothom Alo Jul 03 2016
http://en.prothom-alo.com/economy/news/110629/Garment-industry-trembles-after-Dhaka-attack