痛手受けるも壊滅には至らず

痛手受けるも壊滅には至らず
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過激派首領のタヒム アーメド チョウドリー容疑者の脱落は"ネオJMB"にとって大きな痛手となり、当局は今やこのテロリスト集団の活動を封じ込めることは可能だと考えている。

法執行機関によれば一部の主要メンバーはまだ逃走中のため、"ネオJMB"は組織を再編して更なる攻撃を行う可能性があるという。

警察はグルシャン(Gulshan)のカフェや、ショラキアのイード集会近くの検問所で起こった襲撃事件に関与した"ネオJMB"のメンバー8~10人を捕らえるため、今も捜査に当たっている。

当局は以前、"ネオJMB"には数百人のメンバーがいる可能性があると発表した。"ネオJMB"はジャマトゥル・ムジャヒディン・バングラデシュ(JMB)の主要メンバーのうち、サイドゥル ラーマンが指導者となった事を受け入れなかった者たちが結成した団体だ。

タミム容疑者以外にも"ネオJMB"の他メンバー18人が、法執行機関の作戦あるいは"集中砲火"で死亡した。

当局によれば、幹部の元陸軍将校でアンサール・アル・イスラム(Ansar al Islam)の作戦指揮官サイエド ジアウル ホク容疑者もいまだ大きな懸念であるという。

アンサール・アル・イスラムはインド亜大陸アルカイダ(al-Qaeda in Indian Subcontinent)のバングラデシュ支部と言われており、世俗派ブロガーや出版社、LGBT(性的少数者)活動家の殺害関与を主張する。

アサドゥッザマン カーン カマル内務大臣はタミム容疑者の出番は終わり、ジアウル容疑者の出番も間もなく終わるだろうと話した。

タミム容疑者はナラヤンガンジ(Narayanganj)にあった過激派の隠れ家で土曜日に実行された作戦で、2人の共犯者と共に死亡した。ダッカ警視庁(DMP)の反テロリズム・国際犯罪課のモニルル イスラム課長によれば、他にも一部の者がこの隠れ家を訪れていた疑いがあるという。

警察は既に作戦で死亡した共犯者の1人をジョソール(Jessore)出身のファズレ ラッビ容疑者と特定している。さらにもう1人がダッカ(Dhaka)のダンモンディ(Dhanmondi)出身のトーシフ ホサイン容疑者であると考えている。

「タミム容疑者が死亡したことで、過激派は組織再編を余儀なくされるでしょう。彼の加入後は資金の事を心配する必要がなくなったこともあり、タミム容疑者は組織において重要な役目を持っていました」
モニルル課長は昨日記者に話した。

タミム容疑者が過激派たちのまとめ役になる以前、銀行や人々を襲って資金を得る必要があった。組織に大金が入り始めたのはタミム容疑者が長になってからだ。

「タミム容疑者には、様々な出所から組織に資金調達する能力がありました」
モニルル課長は話す。

タミム容疑者は賢く教育された若者を採用した。タミム容疑者は若者に自殺同然の任務をやらせる心得があったとモニルル課長はいう。

「タミム容疑者は農村部の小作農家から都市部の裕福な家庭に至る若者たちを団結させる上で能力を発揮し、共にテロ攻撃を実行させました。外国にいる過激派同志との連絡も継続しました」

警察はタミム容疑者が集めた資金の一部が未認可のルートから来ていたことを突き止めた。

モニルル課長は昨年11月、12月に行われたイスラミックステート(IS)の過激派サイフル ホク容疑者のダッカに住む父親と弟からの資金388.6万タカ(506.8万円)回収に触れ、その資金がタミム容疑者に渡されたと思われると話した。

サイフル容疑者の父親アブル ハスナト容疑者は60万タカ(78.2万タカ)をタミム容疑者に提供したと認めた。その資金はスペインから中国を通し、非合法のルートを通して来ており、この件に関してマネーロンダリングの事件が提訴されたとモニルル課長は話す。

バングラデシュ出身のIS過激派だったサイフル容疑者は、昨年12月10日に行われたシリア空爆で死亡したとされている。

サイフル容疑者は英国でコンピュータシステムエンジニアとして教育を受けており、ISでは"外部作戦プランナー"だった。サイフル容疑者はISの指導者上位10人の1人に挙げられていた。

サイフル容疑者が死亡する数日前、バングラデシュの刑事はサイフル容疑者の父親と15歳の弟であるハサヌル ホク容疑者(別名ガリブ マームード)、過激派に繋がりがあるとされた3人を逮捕していた。


ナラヤンガンジサダル(Narayanganj Sadar)警察署の担当官アサドゥッザマン氏は昨日の朝、タヒム容疑者と共犯者2人、他数名を反テロリズム法に基づき起訴した。警察のファルク ホサイン警視補佐は話す。

さらにナラヤンガンジのパイクパラ(Paikpara)にある3階建ての建物を所有するヌルッディン デューアン氏が別件で逮捕された。タミム容疑者と側近たちはこの建物のフラット(アパート)を借り、隠れ家として使っていたためだ。

ヌルッディンさんは過激派についての情報を隠蔽したとして起訴された。

ヌルッディンさんはタミム容疑者と2人の過激派が死亡した"ヒット・ストロング27"作戦の後、建物内の他の9人とともに逮捕された。

逮捕された他9人は、取り調べの後、昨日の早くに解放された。

警察は隠れ家からAK-22ライフル1丁、拳銃1丁、弾丸20発、マガジン3個、大包丁3本、ナイフ1本、ハンマー数本を含む武器や弾薬を回収した。


昨日、ダッカ医科カレッジ法医学部のソヘル マームード准教授によって、タミム容疑者と他2人の過激派の遺体の検死が行われた。

「3人とも銃傷により死亡しており、頭を含む複数の箇所に弾痕がありました」
ソヘル助教授は話す。

「またタミム容疑者以外の遺体からは爆弾の破片痕も見つかりました。タミム容疑者の頭の内部には弾丸がありました」

法医学部はDNA鑑定のため、3人の大腿筋と毛髪からサンプルを採取した。血液や尿、内臓のサンプルも検査にかけ、何らかの運動能力向上薬の影響を受けていなかったか確認する。

遺体安置所の関係者によると、遺体は安置所に保管されており、身元の確認にはまだ誰も来ないという。

The Daily Star Aug 28 2016
http://www.thedailystar.net/frontpage/weakened-not-eliminated-yet-1277083
翻訳:長谷川

#バングラデシュ #ニュース #過激派 #ダッカ人質事件