バングラ鉄道に10億ドル

バングラ鉄道に10億ドル
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アジア開発銀行(ADB)は今週末、チッタゴン(Chittagong)ドハザリーコックスバザール(Cox's Bazar)間102キロの鉄道を建設するプロジェクトのため、10億ドルを承認する方向だ。ADBによるバングラデシュ国内の単体プロジェクトの貸し付け額では過去最高となる。
これまでのADBの単体プロジェクトへの貸し付け最高額は7億ドルで、電力分野のプロジェクトだった。

Ecnec(国家経済会議実行委員会)はすでにドハザリからコックスバザールを経由し、ミャンマー国境に近いガンダムまでの129キロに鉄道を敷くプロジェクトに1兆8034万タカ(約22.8億ドル、2兆3066万円)を認可した。総額のうちADBは1兆3115万タカ(約16.6億ドル、1兆6774万円)を提供することになっている。

ADBは10億ドルを、プロジェクト全体の第一段階で承認した。

ADBの予備文書には、第2段階でガンダムとマタルバリ深海港まで線路を拡張するため、資金を提供すると書かれている。

資金を得るためにバングラデシュは、チッタゴン市からドハザリまで47キロの線路を改修し、カルナフリ川に鉄道橋を建設しなければならない。ADBの資料によると、政府は線路を独自の資金で改修するという。

資料によると、韓国が道路を改修し、カルナフリ川の線路橋を架ける資金を提供する計画もあるという。

プロジェクト設計は将来的な収容力の増大とミャンマー国境にあるガンダムまでの鉄道延長、マタバリ島の深海港計画を含んでいるとADBはいう。

これらの将来的な拡大は、プロジェクトの第2段階目で財政措置することが予想される。

政府はプロジェクトを実施するために中国に支援を求め、中国は関心を示したと財務省当局者はいう。

だが手続きの遅れにより、政府はADB資金で事業を実施することを決定した。

政府は2022年までに、プロジェクトすべてを完成させる目標を立てている。計画はバングラデシュをヨーロッパとアジア全体のネットワークであるトランスアジア鉄道とつなぎ、ミャンマーや中国、タイとの貿易拡大へとつなげていく。

ADBの資料では、プロジェクトはコックスバザール県を初めて都市や地方の鉄道ネットワークとつなぎ、ダッカ-チッタゴン-コックスバザール-ミャンマー国境付近の効率的な開発を援助すると書かれている。

またミャンマー国境付近へ陸路で向かう乗客や貨物運送のための一貫輸送装置により、ミャンマーとの接続を向上させるという。

そのプロジェクトは将来的にバングラデシュ東部と、ほぼ広軌のインドの鉄道とを直接接続するため、三線軌条線路が建設される。インド北東部と南東アジアの多くの鉄道が1メートル幅だ。

コックスバザールは国内や周辺国からの主要な観光地になるため開発されている。

コックスバザール観光は少なくとも年5%の成長が期待されている。政府は県を地域観光拠点と海辺のリゾート、他地域とチッタゴン丘陵地をエコツーリズムの観光地として開発しようと意図する。

資料によると、コックスバザールの観光開発は地域経済成長と、観光や裾野産業で雇用の創出に大きく貢献すると期待されている。

現在観光客は2車線の国道を介して陸路を通るか、または非常に限られた規模の空路で県まで旅行することができる。だがほとんどの観光客がバスを使い、ダッカやコミラ、チッタゴンなど、バングラデシュの都市部から来ているという。

毎年約188万人の観光客がコックスバザールを訪れ、県内にある200軒以上のホテルや数多くのゲストハウスやドミトリーに滞在する。

特にチッタゴンから年に90万のバス旅行者が県を訪れる。鉄道は現在のバス旅行の約50%の代替移動手段として機能することが期待される。

プロジェクトは陸路から鉄道への形態移行を通じ、温室効果ガスの排出量を削減し、道路の安全性を向上させる。需要に対応するため、特別観光列車がダッカーコックスバザール間で運営されるとADBはいう。

The Daily Star Sep 27 2016
http://www.thedailystar.net/business/adb-approve-1b-bangladesh-rail-project-1290178

翻訳:米澤
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