災害時の携帯電話利用が増加

携帯電話利用者はサイクロンへの備えや計画に関する情報を得るために自分の端末を使い、サイクロンに襲われている最中やその後、家族や友人と連絡を取ることの脆弱さを認識していることが新たな研究で明らかになった。

国内外の研究者総勢11人が、"バングラデシュにおけるモバイルネットワークデータ通信による気候適応性の検出:サイクロン マハセンの際の連絡や移動、消費傾向における特異性"と題した研究を実施した。結果は先日、国際ジャーナルのシュプリンガーリンクで掲載された。

携帯電話ネットワークのようなデジタルインフラの大規模データは、気候による被害を受けた地域の数百万の人々の行動について豊富な情報を提供する。

2013年5月にボリシャル管区(Barisal division)とチッタゴン管区(Chittagong division)を襲ったサイクロン"マハセン"の影響を調査するため、研究者たちは両管区内のグラミンフォン利用者510万人の移動や通話行動に関する匿名データを用いた。

研究により、サイクロンの前、最中、後における通話の頻度や端末のリチャージ、人口移動に関する時空間的な傾向や特異性が特徴づけられた。

研究者たちは、脆弱な人々がどのように気候の影響に備えるのかに関する考察を行うため、リチャージや積み増しがどのように通話頻度を補っているのかを調査した。

この調査のため、研究者たちは第2のデータセットを用いた。3ヶ月間(2013年4月1日~6月30日)のボリシャルとチッタゴン内の小売店892件からのリチャージ購入に関するデータだ。

リチャージとは利用者がネットワークにアクセスするため、SIMカードに入金している金額のことだ。リチャージの状況を見ることで、サイクロン"マハセン"前後の支出における変化の地理的分布に関する調査が可能となった。

バングラデシュではモバイル入金は家計において小さいながらも重要な比率を示しており、また災害により身内との連絡需要が高まる。

"マハセン"に先立ってラジオやテレビから予報や早期警報が流された際、リチャージが大幅に増加し、通話量も増えたことが調査で明らかとなった。

携帯電話の利用者はサイクロンの最中やその後、家族や友人と連絡を取る必要性を考慮し、備えの一環として自分の端末にチャージを行うとともに、脆弱性を認識していたことが研究で明らかとなった。

国内の沿岸地域は最も災害を受けやすい場所だ。過去10年間で2007年の"シドル"や2009年の"アイラ"など、数々の破壊的なサイクロンがこの地域を襲った。

連絡は環境災害の際の重要なツールであるため、リチャージにおける特異性は最も脆弱な地域の人々の災害に対する準備行動を示しているといえる。

バングラデシュ/Prothom Alo Nov 28 2016
http://en.prothom-alo.com/science-technology/news/130901/Mobile-phone-use-spikes-around-cyclones
翻訳:長谷川
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