【The Daily Star】コックスバザール(Cox's Bazar)県の既存の避難所はすでに超満員となり、県内テクナフ(Teknaf)とウキア(Ukhia)の2カ所に新設されたキャンプに約7万人のロヒンギャ難民が集まった。
8月25日、ミャンマーのラカイン州でロヒンギャ反政府勢力が暴動を起こしたことで、現在まで9万人のロヒンギャがバングラデシュに逃れてきたと見積もられている。
ロヒンギャたちはバンドルボン(Bandarban)県ナイカイヤングチャリ(Naikhyangchhari)や、コックスバザール県テクナフやウキアで、地元民の庭先や丘陵、森の中、農地、道端など、可能であればどんな場所でも避難生活を送っていた。
新設されたキャンプのうち、コックスバザール-テクナフ道路から3キロメートルほど離れたテクナフキャンプには仮設テントが設けられ、通行人や記者、支援者に助けを求めるロヒンギャでごった返した。
執行判事で土地管理官のプロノイ・チャクマ氏によれば、ワイカングユニオンのライカイヤン村とプティブニア村を取り囲むこのキャンプには約3万5千人が避難しているという。
県内ではここ数年間50万人のロヒンギャが暮らしているが、地元自治体や国際機関は新たな難民への食糧支援や住居提供に苦戦している。
ロヒンギャは日に日に国内に流れ込んでおり、状況は悪化の一途をたどる。コックスバザール県のモハンマド・アリ・ホサイン県令は国境地帯訪問後、デイリースターに話した。
9月3日には難民の流入量が増えたことで、レダ(Leda)やクトゥパロング(Kutupalong)、バルカリ(Balukhali)などにある登録キャンプや未登録キャンプは満杯になった。
9月4日、ワイカングユニオンでは数百世帯のロヒンギャが竹やビニールシートを使い、丘陵や農地にテントを張っていた。
さらに数百世帯がミャンマー国境のナフ川を渡り、トラックや三輪自動車でコックスバザール市街地へと向かった。
多くの難民は国境を越える時、何も問題はなかったと話す。だが、テクナフのウンチプラング(Unchiprang)では国境警備隊(BGB)が車両を止め、プティブニアやライカイアン方面に送っていた。
年配農家のサイエド・カリムさんは、ミャンマーのマウンドー県ナグプラを離れ、4日の夜にウンチプラングに到着した。プラスチック椅子に座るカリムさんを2人の若者が運んでいた。
カリムさんに話を聞いたところ、彼はミャンマー軍の残虐行為から逃げる際に転倒し、自力で立てなくなったという。運んでいた息子は父親が腰を骨折したのではないかと、県中央病院に運んでいるところだった。
A baby being taken off a truck at Unchiprang of Teknaf. Photo: Anisur Rahman
2児の母、ラングバハール・ベグムさんは昨日プティブニアに着いた。
「私は夫と一緒でしたが、来る途中にはぐれてしまいました。今、私は全くお金の持ち合わせがありません。どうやって2人の子供を養えばいいのでしょうか」
ラングバハールさんは涙を流した。
この2日間何も食べていないが、新設されたこのキャンプには誰も食べ物を与えてくれないとラングバハールさんはいう。
ワイカンユニオン議会議員のアブドゥル・バセト氏によれば、2つの村で3万人以上のロヒンギャが避難生活を送っているという。
BGB隊員は避難したロヒンギャを治療し、国際移住機関(IOM)のスタッフたちは新たに到着した難民のリストを作成していた。
ナフ川では過去5日間で3隻のボートが沈没し、地元民や自治体は合わせて54人のロヒンギャの遺体を回収した。
一方、ウキア郡パロングカリユニオンタイングカリのコックスバザール-テクナフハイウェイ沿いの森林地に、新たにキャンプが設置された。
数千人のロヒンギャが森林局の社会林プログラムで植えられた木を切り倒し、テントを立てていた。
始めはクトゥパロングやバルカリのキャンプに避難しようとしていたが、空きが無かったと多くの難民が話した。
パロングカリユニオンのモザッファル・アーメド副議長によれば、この3日間でタイングカリキャンプに4万人近くが押し寄せたという。彼らは現在、テントの中で暮らしている。
これ以外に、ウキア郡のテレビ中継センター近くの森林地帯で、数千人が屋外暮らしを余儀なくされている。ここにはまだテントが立てられていない。
クトゥパロング未登録ロヒンギャキャンプ管理委員会のアブ・シッディク会長が実施した調査によると、この数日間で10万人近くのロヒンギャがバングラデシュに入ってきたことが判明したという。
Rohingyas take shelter in the porch of an empty house at Raikhang, Teknaf. Photo: Anisur Rahman
ウキア郡行政官(UNO)のモハンマド・マイヌッディン氏によれば、ロヒンギャはタイングカリの森林地帯を"強奪"し、樹木を略奪してキャンプを設けたが、森林局はしかるべき措置を取っていないという。
地元民の一部も、自治体からの許可を取ることなしに難民のキャンプ設営を支援したとモハンマド氏は補足した。
BGB第2大隊のSM・アリフル・イスラム隊長によれば、国境の開放は行っておらず、ロヒンギャの不法入国に対処しているという。
BGBは国境を越えることができた全員を集め、食糧や住居の提供しているが、今後、政府の決定に基づいた措置が取られるだろうとアリフル隊長は補足した。
バングラデシュニュース/The Daily Star Sep 05 2017
http://www.thedailystar.net/frontpage/camps-swarmed-refugees-1457596
翻訳:長谷川
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