ロヒンギャの帰還は時期尚早

ロヒンギャの帰還は時期尚早
【Financial Express】ミャンマーにおける人権状況に関する国連特別報告員のイ・ヤンヒ氏は、迫害を受けた数十万人のロヒンギャを近いうちに帰還させるための協議は時期尚早だと述べた。

さらにイ氏は、当局が長期化させてきたロヒンギャムスリムを含むミャンマーの少数民族に対する数十年間に及ぶ暴力のサイクルを嘆いた。

イ氏は1月にタイとバングラデシュを訪問した後、任務後の発表の中で、ミャンマー政府が軍事作戦あるいは治安作戦の実施と主張している行為は実際には少数民族に対する支配や侵害、妨害の確立されたパターンであると話した。

「最近報告されている、民間人への攻撃、家や礼拝場所への攻撃、強制的な移住や移転、集落の焼き討ち、土地の強奪、恣意的な逮捕や拘束、拷問や強制失踪、これらは軍や治安部隊が数世代に渡り行ってきたと言われていることです」

2016年10月9日の襲撃や2017年8月25日の襲撃の余波の中行われたロヒンギャへの残虐行為は、今回ほどの規模ではないものの以前にも繰り返し目撃されていたとイ氏は話した。UNBが1日にソウルから受け取った発表内容による。

「カチン、カレン、カレンニ、シャンといった他の民族グループからは、何十年もの間タトマドー(ミャンマー軍)による同様の恐ろしい暴力に苦しんでおり、一部のグループに至っては今も続いているとの話を繰り返し聞いています」

「タイでは複数の民族グループの代表者が、世界の注目がラカイン州での残虐行為に向いており、シャン州やカチン州で潜在的な戦争犯罪が行われていても、国際社会からはさほど多くの批判の声がないという懸念を示しました」
イ氏は補足した。

「文民政府は開放性と透明性の新時代の先駆けになれず、むしろ過去の抑圧的な風習に固執しています」

イ氏は昨年ミャンマー当局から、報告内容に不公平さや偏見があるとの理由でミャンマーの訪問をもはや許可出来ないと伝えられた。氏は民主政府に対し、過去の抑圧的な風習を打破し、祖国を逃れた人々に彼らのあるべき場所の故郷への帰還を許可するよう求めた。

だが、イ氏は次のようにも話した。
「帰還を自発的かつ安全で、尊厳があり、持続的な方法で実現するためには、彼らがその地位で得られる全ての権利を持つミャンマー市民として平等に扱われる必要があります」

バングラデシュ政府は難民を一人としてミャンマーに強制帰還させないことを明確にしており、国際社会は手遅れになる前にミャンマーに対し帰還のための条件を作るよう圧力をかけていく必要があるとイ氏は言う。

「これらの人々をロヒンギャとして、またミャンマー市民として認める必要性を優先することを原則に置いた方法で行う必要があります」

Bangladesh News/Financial Express Feb 01 2018
https://thefinancialexpress.com.bd/national/rohingya-return-premature-says-un-hr-expert-1517495008
翻訳:長谷川
#バングラデシュ #ニュース #ロヒンギャ #国連