大学進学は夢じゃない

大学進学は夢じゃない
【The Daily Star】2006年、HSC(高等学校資格証明)試験に合格したフィロザ・カトゥンさんは大学へ行きたいと思ったが諦めるしかなかった。家族を支えるため、衣料品工場で働く必要があったからだ。夢は粉々に砕け散った。彼女はそう思った。

だが、彼女の物語はそれで終わりではなかった。チャットグラム(Chattogram)にあるアジア女性大学(AUW)の全額奨学金を利用することができたのだ。

「工場の人事部の人が、AUWが衣料品労働者に全額奨学金と入学機会を提供すると知らせてくれたのです。天にも昇るような気持でした」

「同僚の何人かと一緒に2016年の入学試験を受けました。そして、チャットグラム輸出加工特区の工場から私が選ばれたのです」
チャパイナワブゴンジ(Chapainawabganj)出身のフィロザさんは笑顔を見せた。

彼女は政治、哲学、経済学で優等学位を目指している。

フィロザさんと同じかなりの数の衣料品労働者が全額奨学金を提供され、AUWで勉強している。

マルファ・カトゥンさんとポピ・ラニ・ロイさんの物語も、フィロザさんの場合とよく似ている。2018年にAUWに入学したとき、マルファさんはガジプール(Gazipur)のモハマディグループの工場でオペレーターとして働いていた。

「2016年のHSC後、父が亡くなったことと私の結婚で進学を諦めました」
ガイバンダ(Gaibandha)出身のマルファさんは家族を支えるため、働かなければならなかっという。

「国際標準の大学で勉強できるとは、想像すらしたことありませんでした」

ポンチョゴラ(Panchagarh)出身のポピ・ラニ・ロイさんは2018年に入学するまで、ジャイアントグループで働いていた。

「2017年にHSC試験を受けたあと、父が病気で倒れたため、勉強を続けることができませんでした。それで衣料品業界に就職しました」
今、質の高い教育を受けることができて幸せに感じているという。

AUWは14の衣料品工場と覚書(MoU)を交わす。工場は合格した労働者に基本給を5年間支払い、家族が金銭的苦労を負わないようにする。

2008年に港湾都市チャットグラムに設立されたAUWは、2016年にこのプログラムを開始した。
「最初、モハマディグループと覚書に署名しました」
入学担当理事のレハナ・カーン氏は話す。

「2016年、衣料品工場の11人の学生を受け入れました。現在14社から60人の学生を受け入れています。工場から来た学生は多文化環境の中で勉強し、自信を深めていきます」

モハマンディグループのルバナ・ハク社長は、大学で勉強したいという女性労働者たちの夢を叶えたいと、この計画に参加したという。

「博士号を取得したいという夢を大事にしている私が、大学で勉強したいという彼女たちの夢を奪えますか? だから私はこの計画に加わることにしました」

「今、多くの工場が参加するようになりました。最初に入学した学生たちは来年卒業する予定です」
バングラデシュ衣料品製造・輸出業者協会(BGMEA)の会長でもあるルバナ氏は話した。

「私たちは衣料品産業など、あらゆる分野に才能が隠れていると確信しています。多くの企業が覚書に署名していますが、これは企業が社会に貢献できる明白な事例なのです」
AUW創設者のカマル・アーメド氏は話した。

入学試験は金曜日に行われるとアーメド氏。2016年から合計4千人以上の女性が試験を受け、これまで60人が合格した。

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Bangladesh News/The Daily Star May 8 2019 https://www.thedailystar.net/city/news/higher-education-no-longer-just-dream-rmg-workers-1740328 翻訳:吉本 #バングラデシュ #ニュース #AUW #アジア女性大学