【The Daily Star】家にテレビがなく、電気も通っていないため、チャール(川中島)の小学生は政府のリモート教育プログラムにアクセスする機会さえない。
新型コロナウイルスパンデミックにより、全国の教育機関が3月中旬から無期限で閉鎖された。政府は3月29日から6～10学年の生徒向けにテレビ授業を導入し、のちに小学校の全学年に広げた。
しかし、パドマやジャムナ、ティースタ、その他主要河川のチャールには電気が来ておらず、これらのコミュニティではテレビを見ることはまれだ。
特派員は先月、ジャムナ川にあるチャール5カ所を取材したが、どこにも電気は来ていなかった。一部の家庭には太陽光発電用ソーラーパネルはあったが、携帯電話や扇風機、テレビの充電用に使われていた。
各チャールでは、小学生からカレッジに通う10代の若者が友人たちと遊ぶ姿も見受けられたが、両親を助けるため、畑で働く子どもたちもいた。
ボクラ(Bogura）県サリアカンディ(Sariakandi）郡バチアヤチャールのMd・シャキリ・ミアさん(18)は、サリアカンディカレッジの1年生だ。
チャールに住む10代の若者にとって、外の世界へのアクセスはとかく制限される。シャキリさんの家にはテレビがなく、誰もスマートフォンを持っていない。つまり、彼は他の人のように自宅でリモート教育を受けることができないのだ。
「カレッジが閉鎖されたので、私はじっと家にいるか、友人とクリケットをしているだけです。テレビ授業が行われていると聞きましたが、受講することができません」
「学校が閉鎖され、1日中友達と遊ぶ以外は何もしていません。家には勉強を教えてくれる人はいません」
バチアヤチャールの4学年(9歳)Mdタレク・サーカーさんは話した。
チャールではデジタルなど、学校教育の代わりになるものはない。
「学校が閉鎖された後、子どもたちは自宅で読み書きを学ぶ機会がありません。私と妻、両方が読み書きができないのです」
人口3千人のクリパラチャールで小学生の子ども2人を育てるバブム・ミアさん(38)は話した。
チャールの貧困世帯では、子どもたちが学校に通うために受け取る政府の初等教育奨学金プログラムの給付金に依存する家庭もある。
コヒヌール・ベガムさん(40)は、モイユラーチャールで小学生2人の子を育てる。
「5学年の長男アラムは毎月300タカ(396円)、1学年の娘は毎月150タカ(198円)の給付金をもらいます。ですがここ二カ月、学校が閉鎖されているため、お金は出ていません」
ガイバンダ(Gaibandha）県初等教育事務所によると、ガイバンダショドル(Gaibandha Sadar）、サガタ(Saghata)、フルチャリ(Fulchari)、スンダルゴンジ(Sundarganj）郡のチャールには約100の小学校があり、1万5千人の生徒が学んでいる。
本土の小学校で学ぶチャールの子どもたちも5千人以上いると、Mdホセン・アリ初等教育官は話した。
「ガイバンダのチャールでは電気とテレビがある家は珍しい。ほんの数軒です。それも、太陽光発電や充電バッテリーでテレビを映しているのです」
「チャールの生徒にオンライン授業を提供するのは難しいですが、政府は本土に住む全ての生徒にオンライン授業を提供しようとしています」
県内チャールには8つの高校と3つのマドラサ（イスラム神学校）があり、5千人以上の生徒が通っていると、Mdエナイェット・ホサイン中等教育官は話した。
ボクラ県サリアカンディ郡の初等中等教育事務所によると、郡内のジャムナ川チャールには、小学校47校、高校6校、マドラサ4校があり、生徒数は合計1万人以上だという。
さらに、チャールの生徒およそ2～3千人が、定期的に郡内の教育機関に通っていると、サリアカンディ郡のMdシャヒドゥル・イスラム中等教育官は話した。
一方、チャールの多くの生徒はテレビやインターネットアクセスを持ち、興味があれば政府のオンライン授業にアクセスできると、シャヒドゥル氏は主張する。
「本土の生徒もオンライン授業への関心が低いのです」
ボグラ(Bogura）県ソナタラ(Sonatala）郡のチャールには10の小学校とマドラサがあり、およそ1千人の生徒が学んでいる。その他、チャールに住みながら郡内の学校やカレッジに通う生徒も400人ほどいると、郡のMdアジザル・ラーマン中等教育官は話した。
Bangladesh News/The Daily Star 17 2020
https://www.thedailystar.net/backpage/news/shutdown-stopped-their-lessons-1915629
翻訳：吉本