eコマースの成長

eコマースの成長

【The Daily Star】新型コロナウイルスパンデミックが続く中、世界中の消費者が自宅で買い物をすることを余儀なくされているため、バングラデシュのオンライン販売は国際的なトレンド同様、急激な成長が期待されていた。

いくつか浮き沈みがあるにもかかわらず、国内のeコマースは3月に最初の感染者が確認されて以来、およそ100%の急成長を遂げている。

だが、この6カ月間の成長は、まだ従前の予測を下回っている。

主に必需品を販売するeコマースプラットフォームの多くが空前の注文数に圧倒される一方、ライフスタイル関連や高級品を販売するプラットフォームでは、自社製品の需要がどん底まで急落している。

例えば、バングラデシュを代表する生活用品のオンラインプラットフォーム「チャルダル(Chaldal)」は、不安定な経済状況にも負けず市場を席巻している。

食料品や衛生用品、その他生活必需品の宅配需要が増加し、ダッカ市内の1日の配達件数が140%増加した。現在、1日6千件の配達を行っているが、パンデミック前は2500件だった。

「米、野菜、衛生用品の需要が、3月下旬から増えています」
チャルダルのワッセム・アリムCEO(最高経営責任者)は述べた。

ほとんどの企業が新型コロナの影響から逃れるために多くのスタッフを解雇していた時、チャルダルは560人を新たに雇い、従業員数を1400人に増やした。これは国内のeコマースサイトとしては重要な功績だと、アリム氏は補足した。

2013年創業のチャルダルは、独自の配送メカニズムで、ダッカ全体とナラヨンゴンジ(Narayanganj)県など、隣接地域の配達を行う。

だが、アリム氏は、オンライン販売は期待されたほど成長していないと考えている。
「すべてのメディアの誇大広告は、パンデミックで国内のeコマース産業が10倍に成長すると人々を信じさせましたが、これは真実ではありません」

また、業界全体の成長の主な障害として、既存の配送メカニズムの不備とスムーズなサプライチェーンの欠如を指摘した。

毎日の過剰な注文に対応するため、チャルダルは古いサーバーの入れ替えや返金プロセスの自動化など、技術的・戦略的な組織の変更を余儀なくされている。

一方、もう一つのeコマースプラットフォーム大手「ダラズ(Daraz)」は、コロナウイルス拡散抑制のために世界中で旅行禁止令が出た直後、輸入依存の加盟店の約5千社を失った。

だが、5月には1万社以上の国内小売業者をプラットフォームに追加した。

「これまでeコマースプラットフォームで販売されていなかった商品が、定期的にオンライン販売されるようになりました」
ダラズバングラデシュのサイード・モスタヒダル・ホク社長は述べた。

植物や種子、肥料、蜂蜜などの商品でさえ、今ではよく売れる商品リストに載っているとし、消費者の習慣の変化のため、中小企業はこれまで以上に多くの人々に対応できるようになったと補足した。

新型コロナウィルスパンデミックの前、巨大eコマース企業アリババ(Alibaba)の子会社であるダラズの売れ筋は電子機器だった。

だが、パンデミック後、これらの商品の需要は激減し、日用品や衛生用品の注文が急増した。

ダラズ全体の売上高は4-5月期に大きく落ち込んだが、6月以降は回復傾向にあるという。

コロナ禍からの国内経済の回復の証として、8月には1日の注文数が5万5千件に急増したが、これはパンデミック前より20%の増加となる。

コロナ禍の中、より良いショッピング体験を顧客に提供するため、ダラズは物流技術を完全に刷新したとホク氏。

バングラデシュ最大のモバイル金融サービス(MFS)プロバイダーbKashとの統合を改善し、決済システムを合理化したという。

48県では日用品の注文や、ダラズアプリで利用可能なゲーム機能を利用することができるようになったと、ホク氏は補足した。

【中略】

『食品の宅配と物流』
オンライン食品配達プラットフォームは、3月下旬から国内全てのレストランが閉鎖されたことで大いに苦しんだ。

それらのプラットフォームは今日まで、この期間に発生した損失の半分程度までしか回復していない。

「すべてのオンライン食品配達プラットフォームの状況は悲惨です。政府や国の金融機関から取るに足らない助けを受けながら、多くの新興企業は滅ぶことが運命づけられています」
ハングリーナキ(HungryNaki)のアフマドCEOは述べた。

一方、ショホホズ(Shohohoz)食品のマリハMカデルCEOによると、同社の事業は75%程度は回復したという。
「弊社は多くの割引サービスを行ったため、ビジネスは正常に戻りつつあります」

この部門の市場リーダーパタオ(Pathao)食品の回復は遅れている。
「しかし、まだ少なくとも注文は入ってきています」
パタオのフサイン・エリウスCEOは述べた。

パンデミックの影響でレストランは数カ月間閉鎖されたが、再開したレストランでは今もまだ本格的な営業を行っていない。

物流インフラが弱く、渡航制限があったため、eコマースの顧客はパンデミックの発生当初、多くの被害を受けたとエリウス氏はいう。

だが、新たな技術革新とテクノロジーの統合により、7月以降、物流サービス事業者のビジネスは拡大している。

eコマースを基盤とした物流会社ペーパーフライ(Paperfly)は5月、1日あたりの配送量が10%減少した。

8月の1日当たりの出荷数は1万3千個に急増したが、それは9千程度だったパンデミック前の44%増だと、ペーパーフライのラハス・アーメド販売部長は述べた。

Bangladesh News/The Daily Star Sep 9 2020
https://www.thedailystar.net/business/news/e-commerce-bright-spot-amid-the-gloom-1958261
翻訳:吉本

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