洪水が90億の魚を洗い流す

洪水が90億の魚を洗い流す

【The Daily Star】漁業局(DoF)によると、6月下旬から繰り返し襲った洪水は、中部地方、北部地方、南部地方の養殖魚51億タカ(67.4億円)相当を洗い流した。

浸水は7万7518の養殖業者の10万の養殖池に及んだ。

DoFのデータによると、ボリシャル(Barishal)、シレット(Sylhet)、ラジシャヒ(Rajshahi)、次いでダッカ(Dhaka)管区の養殖業者が最も被害を受けたという。

自然災害が養殖業者に大混乱をもたらしたのは今年二度目だ。5月にはサイクロンアンファン(Amphan)により、3万9千のエビ養殖業者の希望が一掃され、39億タカ(51.5億円)の損失が生じた。

二度の被害で合計90億タカ(118.9億円)の損失が出たにも関わらず、政府は、世界最大の養殖魚生産国になろうと努力をしてきた養殖業者への支援をまだ発表していない。

DoFによると、養殖業は過去20年間で成長し、2017-18会計年度には全体の漁獲高430万トンの56%を占めるまでになった。

昨年の国際食料政策研究所の調査によると、池を中心に80万ヘクタールで行われている養殖業は、2000年から2010年の10年間で200万人以上を貧困から救い出したという。

DoFの養殖業担当副局長アジズル・ホック氏は、被害を受けた養殖業者を支援するため、稚魚などを提供する12.6億タカ(16.7億円)の計画を立てたと述べた。

「私たちは短期と長期の計画を用意しました。承認を得次第、養殖業者に寄りそうことができるでしょう」

シレット(Sylhet)県ビシュワナス(Bishwanath)で小規模養殖業を営むアジズル・ラーマンさんは、地元の漁業事務所の職員が、一カ月間育てた魚が消えた池を見に来たと述べた。まだ、養殖業を再開するための政府からのどんな援助もなく、「支援を待っている」ところだという。

6月末から来襲した大雨による洪水により、北部地方や中部地方の多くの地域で、河川や湿地帯、池の区別が消えてしまった。

災害対策省によると、8月末までに水は引き始め、農家や養殖業者に一息つかせたという。

DoFよると、38県で最も被害が大きかったのは北東部のスナムガンジ(Sunamganj)県で、損失額は5.3億タカ(7億円)だった。

1次産業の主要部門である水産業は、2019-20会計年度の国内総生産の3.5%を占める。

サイクロンや洪水による2カ月間の損失は、作物を含めると180億タカ(238億円)にのぼったと、DoFや農業省のデータは示している。

Bangladesh News/The Daily Star Sep 10 2020
https://www.thedailystar.net/business/news/floods-wash-away-tk-900cr-fish-1958753
翻訳:吉本

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