南アジアの経済強靭国

南アジアの経済強靭国

【Financial Express】米ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)は、国連の後発開発途上国(LDC)卒業をきっかけに、バングラデシュの近年の経済成長を称賛している。

バングラデシュは独立50周年を迎えるにあたり、国連開発政策委員会から発展途上国に昇格するよう勧告を受けた。

WSJは「バングラデシュは南アジアの経済的強靭国になる」と題した記事の中で、バングラデシュを「韓国や中国、ベトナムの様々なステージで見られる成功した開発モデルに最も近い国」と評価した。同紙によれば、輸出主導の開発は、非常に低い所得水準から中所得の地位にまで国を移行させる最も優れた実績を持つという。

記事では、輸出や一人当たりのGDPがわずかに低いインドやパキスタンと比較して、バングラデシュの進歩を強調している。

過去10年間で輸出が80%伸びたことについては、衣料品産業の好景気が牽引したと指摘する。また、バングラデシュの開発モデルが成功した理由として、人口構造が非常に若く、賃金水準面の競争力があり、特に南アジアの他地域に比べて女性労働力の参加率の高さや伸びを挙げている。

とはいえ、バングラデシュの経済成長は、過去10年間で輸出がそれぞれ3倍以上、2倍以上に増加したベトナムやカンボジアを大きく下回っている。

WSJによれば、インドの輸出も2000年代前半にブームになった後に停滞しており、今後も上昇傾向が続く保証はないという。そのうえで、バングラデシュはベトナムを見習って、より価値の高い製造業や輸出業に移行する必要があるとした。

バングラデシュの輸出産業は衣料品に大きく依存している。ハーバード大学成長研究所による経済の複雑さランキングでは、対象となった133カ国中108位だった。

バングラデシュはアジアの主要貿易圏からは外れているものの、製造業の輸出を多様化するには、アジア域内のサプライチェーンへの参加を拡大し、東側の隣国との経済関係を緊密にする必要があると、記事は結んでいる。

Bangladesh News/Financial Express Mar 5 2021
https://thefinancialexpress.com.bd/economy/bangladesh-is-becoming-south-asias-economic-bull-case-wsj-1614943778
翻訳:吉本

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