紡績工場への投資大幅増加

紡績工場への投資大幅増加

【The Daily Star】昨2021年、バングラデシュの紡績工場への投資額が大幅に増加した。パンデミックで世界のアパレル供給網が不安定な中、企業家は需要の増加に対応するため新たに26工場を立ち上げた。

バングラデシュ繊維工場協会(BTMA)のデータによると、企業家は新工場に597億タカ(808.2億円)を投資、合計74万5400台以上の新しい紡績機を追加した。

大手衣料品輸出企業の一つモンドル(Mondol)グループは、タンガイル(Tangail)県ミルザプール(Mirzapur) に紡績工場を設立するために 45億タカ(60.9億円)を投資した。

工場は12月15日に生産を始め、1日あたり50トンの綿糸を生産。綿糸は海外バイヤー向けの衣料品製造に使われる。

同社は今年さらに30億タカ(40.6億円)を投資、生産能力を75トンに拡大する予定だ。昨年の投資で7万7千台の紡績機を導入したが、今年さらに4万台追加する。

「国際的な小売業者やブランドからの衣料品需要が多いのです。紡績部門に投資することで、生地の供給を他社や輸入に頼らなくて済むようにしました」
モンドルグループのアブドゥル・モミン・モンドル会長は、新工場では綿糸の30%を他社に販売することができると述べた。

新工場で生産される糸の80%は純綿糸で、残りの20%は綿糸と人工繊維の混紡糸だ。モンドル氏によると、人工繊維衣料品への需要は世界的に高まっているという。

シュリープール(Shreepur)にある紡績工場イスラク(Israq)織物は、2千万ドル(23.2億円)投資し、1日50トンの糸を生産する工場を設立した。現在、同社は120トンの綿糸を生産する。

「毎年新しい衣料品ベンチャーが誕生しているので需要が高まっており、追加投資と生産によって国内市場に糸が余ることはないでしょう」
イスラクのファズルル・ホック社長は、アパレル製品の輸出は伸びているため、紡績部門には大きな可能性があるとした。

現会計年度7~12月までの衣料品出荷額は、前年同期比28.02%増の199億ドル(2兆3091億円)。このうち、ニット製品は30.91%増の111.6億ドル(1兆2950億円)、織物製品は24.50%増の87.3億ドル(1兆130億円)だった。

「注文はたくさん入っているので、衣料品輸出の増加傾向は今年6月まで続くでしょう」
バングラデシュ衣料品製造輸出業者協会のファルケ・ハッサン会長は、ここ数カ月で受注が15%上昇した輸出業者からの需要増に対応するため、一次繊維部門への投資が増えていると述べた。

バングラデシュには500の紡績工場がある。

「国内衣料品メーカーや輸出業者からの需要が高まっているため、大半の工場はほぼ毎月生産能力を拡大しています」
BTMAのモンズール・アーメド会長は輸入糸や輸入生地を使った場合、メーカーは時間通りに衣料品を供給することが難しいため、国産糸を好んでいると述べた。

大手織物メーカーのマヒン(Mahin)グループは、50億タカ(67.7億円)を投じて紡績工場を建設中だ。

ノルシグディ(Narsingdi)にあるこの工場は5万5千台の紡績機を備え、35トンの織物用糸を生産する予定だ。2023年末までに生産を始め、自社の需要に対応する。

現在、同社は織物製品を生産するために1日50トンの糸を消費するが、紡績工場がないことから糸を購入している。

「現在のペースで消費すると、紡績工場で35トンの糸を生産しても、他工場から15トン程度の糸を調達しなければなりません」
マヒングループのアブドゥラー・アル・マヒン会長兼社長は述べた。

Bangladesh News/The Daily Star Jan 5 2022
https://www.thedailystar.net/business/economy/news/investment-galore-spinning-despite-covid-2932676
翻訳編集:吉本

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