寝袋が主要輸出品目に

寝袋が主要輸出品目に

【The Daily Star】中国が労働者不足と生産コストの上昇で市場シェアを失っているため、バングラデシュが寝袋の主要製造国になりつつある。

数年前までは、バングラデシュ輸出加工特区にある2、3社の多国籍企業のみが製造していたが、現在少なくとも10社の国内企業が寝袋を製造するようになった。

バングラデシュはジャケットやテント、スキーウェア、スポーツウェア、ハンターウェア、安全服、作業服、雨具などのアウターウェア生産で強力なプレーヤーに変貌しつつあるが、寝袋の製造もますます増えている。

寝袋はアウターウェアに使われるものと同じ材料と機械を使うため、多くの工場が供給することができる。

これまで寝袋生産は中国が中心だったが、各企業は熟練工不足と生産コストの上昇で、近年は生産拠点をバングラデシュなどに移している。

ラナ・プラザのビル崩壊を受けて2013年6月に一般特恵制度が廃止されるまでは、バングラデシュの輸出業者は主要輸出先である米国向けの寝袋輸出で関税ゼロの恩恵を享受していた。その後、12%近い関税がかかるようになったが、収益は年間約5億ドル(649.1億円)に達した。

チャットグラム(Chattogram)にある台湾企業「ユーセビオ・スポーティング(Eusebio Sporting)」は、年間2千万ドル(26億円)の寝袋の他、テントも輸出していると同社のジュリオ・リン部長はいう。

ユーセビオは15年前からバングラデシュでビジネスを展開、ヨーロッパやロシア、アメリカ、カナダ、南米の複数の国に寝袋を出荷する。

バングラデシュは熟練労働者が豊富だが、中国は減少傾向にある。
「今後、バングラデシュからの出荷が大きく増えるでしょう」
リン氏は述べた。

北欧やヨーロッパ、北米、南米では、トレッキングやスキーなどのアウトドア活動で寝袋を使う人が多い。

寝袋輸出業者「チーム・グループ」のアブドゥラ・ヒル・ラキブ社長も、バングラデシュからの出荷が急増しているという。
「コロナの状況が改善され、人々がスキーや登山を始めれば、需要はさらに伸びるでしょう」

パンデミックのために寝袋の需要はこの2年間やや減少した。売上が完全に回復するまでには2~3年かかるかもしれない。

バングラデシュの複数工場から寝袋を仕入れるフランス企業「カントリー・リーダー」の調達の伸びは、毎年7~8%だという。

アウターウェアの大手輸出業者「スノーテックス・アウトウェア(Snowtex Outerwear)」のSMカレド社長は、世界的に需要が拡大しているため、バングラデシュでも寝袋製造が増えていると述べた。

同社は3億ドル(389.5億円)相当の衣料品輸出を見込んでいるが、ほとんどはスキーウェアやジャケット、作業着、安全着、スポーツウェアなどのアウターウェアだ。

世界銀行の世界統合貿易ソリューションポータルのデータによると、2021年の寝袋の上位輸入国は、米国、EU、ドイツ、日本、英国、オーストラリア、スペインである。

Bangladesh News/The Daily Star Apr 28 2022
https://www.thedailystar.net/business/economy/news/sleeping-bags-turning-major-export-item-3014111
翻訳編集:吉本

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