生産能力を拡大する鉄鋼業界

生産能力を拡大する鉄鋼業界

【The Daily Star】バングラデシュの鉄鋼業界では大手企業数社が参入する一方、既存の鉄鋼会社は主要な建設資材の需要増に対応するため、生産能力の拡大を検討している。

メグナグループ(Meghna Group of Companies)、PHP Group of Industries、ボシュンドラ(Bashundhara Group)、アンワール(Anwar Group of Industries)など6つのコングロマリットが新工場を設立し、製造能力の拡大を考えている。

「私たちはセメントやセラミック、組立建物など、すでに建築資材の事業を行っています」
メグナグループのモスタファ・カマル会長兼社長は述べた。

メグナグループは事業を多角化し、年間売上高は約28億ドル(4140.8億円)に達する。

同グループ推定4億ドル(591.5億円)を投じて、年間生産能力140万トンの製鉄所を設立する予定で、すでにクミラ (Cumilla)経済特区で工場の建設に着手した。

この拡張計画が完了すれば、バングラデシュの年間鉄鋼生産能力は1千万トンを超えると予想される。

現在、国内では約40カ所の製鉄所が稼動しており、合計で900万トンの生産能力がある。一方、バングラデシュは年間800万トンの鉄鋼を必要としている。

「ライフスタイルや志向の変化により、人々はトタン住宅からレンガ住宅へと移行しています。また、土地不足もあります。住宅を確保するためには垂直方向にのびるしかありません」
PHPの創業者サフィ・モハメド・ミザヌル・ラーマンン会長は述べた。

フラットスチール、フロートガラス、船舶解体、自動車産業に関わるPHPグループは、チャットグラム(Chattogram)南東部ミルザライ(Mirsharai)のボンゴボンドゥ・シェイク・ムジブ・ナゴール(BSMSN)に基礎鉄鋼工場の設立を計画している。ピーク時には、年間300万トンの鉄を生産する予定だ。

「一人当たりの年間消費量を200キログラムまで増やそうと思ったら、1億トンの鉄鋼を生産しなければなりません」
ラーマン氏は述べた。

バングラデシュ最大の企業グループの一つであるボシュンドラ・グループは、BSMSNに総額5億ドル(739.4億円)を投じて2カ所の鉄鋼工場を立ち上げる。

関係者によると、ボシュンドラプレハブ建築物製造工業とボシュンドラマルチ鉄鋼工場の2カ所で、年間200万トン以上の熱延コイルが生産される。これらの工場は、2023年半ばまでにフル稼働する予定だ。

国内最大の鉄鋼メーカーであるバングラデシュ鉄鋼再圧延工場(BSRM)は、70万トン生産できる再圧延工場の設立を計画中だ。

これにより、生産能力は240万トンに達すると、同社のアーミール・アリフッサイン社長は述べた。

すでに鉄鋼産業に参入しているアンワールグループは市場シェアを高めるため、ムンシゴンジ(Munshiganj)県ガジャリア(Gajaria)に新工場を建設するために400億タカ(584億円)以上投資する。工場の生産能力は年間160万トンになる予定だ。

「来年9月までに商業生産を開始することが目標ですが、現在の経済の混乱を考慮して慎重に進めています」
同グループのマンワル・ホサイン会長は、新工場に4500人雇用することを見込んでいる。

現在、ダッカ市トンギ(Tongi)にあるAnwarの工場では、年間約30万トンの棒鋼を生産している。

鉄鋼の市場規模は現レートで約7200億タカ(1兆511億円)だが、国内各地で実施されている様々な巨大プロジェクトやインフラ開発のおかげで、国内需要は急速に増えている。

インドの市場分析会社SteelMintは、バングラデシュの鉄鋼需要は2025年まで年6%から7%増加すると予測する。

バングラデシュの鉄鋼消費量は国民一人当たり45キログラムと、世界平均の208キログラムを大きく下回る。

鉄鋼業界の国際取引団体である世界鉄鋼協会によると、インドの平均消費量は65.2キロ、パキスタンは42キロだ。また、韓国で400キロ、日本で1000キロと、先進国の方がはるかに多い。

Bangladesh News/The Daily Star Oct 30 2022
https://www.thedailystar.net/business/economy/news/steel-industry-heat-new-players-joining-race-3155591
翻訳編集:吉本

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