【The Daily Star】欧米ではロシア-ウクライナ戦争や石油製品価格の下落など新たな局面を迎えているため、国内のアパレルサプライヤーは2023年に緩やかな回復を見込んでいる。
欧米ではインフレ圧力が徐々に低下、消費者の懐に余裕が生まれ、アパレル購入の後ろ盾となる支出が増えてきた。
戦争の影響で一時1バレル123ドル(1万6345円)を超えていた原油は、昨日は79.56ドル(1万573円)で取引された。
その結果、クリスマス商戦も好調で、国際的な小売業者やブランドの数十億ドル相当の在庫衣類が売られ、海外の衣料品小売店やブランドは工場への新たな作業指示や今後の仕入れのための問い合わせを開始した。
全米小売業協会(NRF)によると、11月の売上高は前月のホリデーシーズン初期のショッピング急増からは落ち込んだが、前年比で堅調な伸びを示すなど、好調な滑り出しとなった。
この業界団体は、米国の年間GDPに3兆9000億ドル(518.3兆円)もの貢献をしており、米国人4人に1人、5200万人のアメリカ人労働者の雇用を支えている。
NRFのマシュー・シェイ会長兼CEOは先週の声明で、消費者はインフレと金利上昇にもかかわらず、家庭の優先事項や大切な人へのクリスマスプレゼントに支出し続けたと述べた。
「ホリデーシーズンの買い物客は回復力を示し、小売業者は家計を伸ばすために適切な価格水準で優れた商品と体験を提供しています。消費者は、より伝統的なホリデーショッピングを体験するために、店舗での買い物にシフトしており、今年のスーパーサタデーショッピングの週末は記録的な参加者が見込まれます」
NRFのチーフ・エコノミストであるジャック・クラインヘンス氏は声明で、11月は雇用と賃金の増加やパンデミック時代の貯蓄の積み上げがホリデーショッピングを支える一方、買い物客はインフレと金利上昇に圧迫されたと述べた。
「しかし、アパレル輸出の回復は強くはなく、緩やかなものになるでしょう」
ナラヨンゴンジの衣料品輸出業者Plummy FashionsのMdファズルル・ホック社長は、本格的な回復は3月以降になる見込みだと述べた。
また、来年末には緩やかな成長が見込まれるので心配する必要はないとしながら、戦争がいつ終結するかはまだ不透明であり、多くの問題が解決されていないため、世界貿易に影響を与える可能性があるとした。
さらに、バイヤー側の購入動向がそれほど強くないため、単月として過去最高だった先月の衣料品輸出(43.7億ドル:5807億円)による収益を考慮すべきではないと述べた。
衣料品輸出大手Envoy Textilesのクトゥブディン・アーメド会長も、戦争がいつ終わるか誰にもわからないため、消費者はパンデミック後と同じように新しい日常に入ったと、ホック氏と同じ見解を示した。
一方、厳しい戦時下でも世界的な市場シェアを獲得するには、政治的安定、ガスと電力の安定供給、銀行の低金利といった国内問題を維持しなければならないとした。
ガスや電力が不足し、時間通りに商品を供給できない場合、国内サプライヤーは高価な空輸を使わなければならない可能性がある。もし、そうなれば、この厳しい競争の中で大きな損失を被ることになるだろうと、アーメド氏は付け加えた。
「欧米諸国でのビジネスは前年比4~5%増にとどまるため、2023年は国内輸出業者にとって重要な年となります」
Ha-MeemグループのAKアザド会長兼CEOは述べた。
これは在庫販売が増加したものの、それほど大きくは伸びなかったことが原因だという。アザド氏は、来年1~4月までの受注は、9~12月より15%から20%ほど少ないと述べた。
バングラデシュ衣料品製造輸出業協会のファルク・ハッサン会長は、戦争が続いているため、来年は緩やかな回復にとどまるだろうと述べた。
このような厳しい時代には、関税や債券、港湾、そして輸出入業者のスマートな運営によって、コストを削減する必要があるとした。
良いニュースとしては、国際市場における綿花価格とともに運賃が大幅に下落しており、これは工場レベルに良い影響を与えるとしたうえで、国際的な小売業者やブランドはそれを口実に衣料品単価を下げるだろうと補足した。
Bangladesh News/The Daily Star Dec 27 2022
https://www.thedailystar.net/business/economy/news/garment-exporters-see-moderate-recovery-2023-3205941
翻訳編集:吉本