行政のジェンダーギャップ

行政のジェンダーギャップ

【The Daily Star】バングラデシュの女性は様々な分野で目覚ましい活躍をしているが、行政組織ではまだ遅れをとっている。

バングラデシュ統計局(BBS)が作成した2021年政府報告書では、行政幹部における女性の割合が男性よりもはるかに低いことが明らかになった。

「ジェンダーに基づく雇用と賃金」と題された報告書によると、行政における女性職員の割合は19.62%、現場の行政職では22.64%だった。

行政省の上級秘書官、追加秘書官、共同秘書官、秘書官書、上級秘書官補佐、秘書官補佐の6310ポストのうち5072人を男性職員が占め、女性はわずか1238人だった。

また、管区長官、管区長官代行、副長官、副長官代行、郡議会議長の742ポストのうち、女性は168名のみだった。

報告書では、高位職になればなるほど男女の不均衡が顕著であるとされた。

例えば、男性秘書官66人に対し、女性秘書官は10人のみで、女性の分管区長官や管区長官代行は存在しない。

唯一の例外として、モザマット・ナズムン・アラ・カヌム現食糧省秘書官が女性管区長官だったことはあるが、それ以降女性管区長官が任命されたことはない。

報告書では、とりわけ女性幹部が少なかったり、女性役員や職員の割合がごくわずかの省庁があることもわかった。

報告書は財務局の「ジェンダー予算報告書2019-2020」について言及しながら、漁業・畜産省の女性職員の割合が27.59%と最も高く、初等・大衆教育省がわずか8%と最も低い(2017年の14%から減少)ことを明らかにした。

また、ほぼすべての省庁で女性職員の割合が少なく、女性への機会が広く奪われていることを示した。

さらに、2017-18年と2018-19年のデータを比較したところ、スタッフ職に占める女性割合が減少するなど、憂慮すべき傾向が明らかになった。

報告書は、政策立案者は行政におけるこうした雇用格差の背景にある理由を探るべきだとした。

計画委員会のモサマット・ナシマ・ベガム氏によると、公務員に応募する女性が男性より少ないのは、高等教育を修了した女子学生の数が男性よりかなり少ないからだという。

彼女の主張は、労働力調査2016-17年の高等教育を修了した女性割合は男性の半分以下で、農村部ではその比率がより悪いという結果により、説得力がある。

調査では、中等教育レベルで多かった女子は、高等教育レベルでは徐々に遅れをとっていることが明らかになっている。

ナシマ氏は、女性が公務員試験に参加できないのは、主に家族の後押しが足りないからだという。

「例えば、息子が卒業すると両親は政府関係の仕事に就くことが唯一の選択肢であるかのように扱いますが、娘に対してはまず結婚を考えるのです」

雇用差別について彼女は、内閣府や土地相、内務相などの幹部に女性がまだ任命されていないため、不公平があるかもしれないと述べた。

「しかし、これは決して女性がこれらの職務を担うことができないことを意味するものではありません」

バングラデシュ警察女性ネットワークの副会長のシャミマ・ベグム副警視総監は本紙に対し、女性警察官の割合は10年前の2%から8%に増えていると述べた。

「80年代末に採用が10年近く中止されたため、指導的立場にある女性警察官の数がまだ少ないという状況ではありますが、私の経験では、多くの女性が家庭や個人的な理由で新しいことに挑戦できないでいます」

Bangladesh Mahila Parishad会長のフォージア・モスレム博士は、独立から50年経った現在でも、行政レベルでの女性参加がこのように悲惨な状況であることに落胆していると述べた。

「行政レベルでの女性の参画をより確実なものにするために、政府は女性をその地位に就かせるための積極的な計画やプログラムを用意しなければなりません。女性の雇用レベルが低い背景には、安全な交通機関や保育施設の不足といった障害もあります。このような問題にまず取り組む必要があります」

Naripokkhoの創設メンバーの1人シリーン・ハク氏は、「113人の女性郡議会議長の自信と勇気に敬意を表します。彼女たちは家族の抵抗に耐えなければならないだけでなく、毎日のように投げかけられるステレオタイプのジェンダー観に取り組まなければならないのです」と述べた。

「中等教育における女子のための奨学金に関する政府のプログラムは、より多くの女子が高等教育を受けるとことを目指しています。政府は、女性の採用にアファーマティブ(ポジティブ)・アクションを導入することができます。これは、資格に対する妥協を示唆するものではなく、同等の資格を持つ女性の候補者を意図的に優先させるというものです。女性が採用され、訓練を受け、配属されたら、政府は安全な労働条件、安全な宿泊施設、安全な交通手段を確保しなければなりません」
ハク氏は述べた。

Bangladesh News/The Daily Star Mar 7 2023
https://www.thedailystar.net/news/bangladesh/news/gender-gap-administration-women-still-made-lag-far-behind-3265061
翻訳編集:吉本

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