
【The Daily Star】都市部のミレニアル世代の男性の多くは、無報酬の家事労働を女性が行うものと見なし続けているが、沿岸部のクルナやサトキラ県では多くの男性が家事に取り組み、責任を妻と分担している。
この小さな、だが大きな変化は、伝統的な性別の役割に挑戦し、家庭内の平等を促進することで、社会に良い影響を及ぼしている。
サトキラ県シャムナゴール郡ゴブラユニオンの50歳の漁師モクブル・ホセインさんの例を見てみよう。彼が住むドゥムリア村の最大の課題は水不足で、飲料や料理のために遠くで水を汲み、運んでこなければならない。
「以前は妻が水汲みの仕事を引き受けていましたが、体中に痛みや不快感がありました。現在、家庭で必要な水の大半は私が汲んできます。しかし、UNDP(国連開発計画)は今年、飲料用に雨水を採取するプロジェクトで、2千リットルの水タンクを提供してくれました」
モクブルさんはヤギや鶏の世話、家の掃除、魚や野菜のカット、子どもの入浴、衣類の洗濯など、その他さまざまなことにも取り組んでいる。
妻のアシヤ・カトゥンさん(45)は、家事を分担し、家族のことを決めるときは彼女の意見を聞く夫の責任感の強さを喜んでいる。
「家族の男性全員が女性の労働をサポートすることで、女性は休息をとり、経済活動に参加することができるのです」
アシヤさんは述べた。
当初、モクブルさんは無報酬の家事労働を妻と分担していることで「雌鶏」と呼ばれ、村人から嘲笑を浴びた。
だが、幸いなことに、クルナ県とサトキラ県の5郡ではジェンダー対応型沿岸部適応(GCA)プロジェクトが導入され、男性の態度にこうした変化をもたらす強力な力となった。
GCAプロジェクトで重要なのは、水汲み労働の転換などを通じて沿岸地帯の女性の負担を軽減することだ。
毎年、国際女性デーに現地ファシリテーターが家を訪問し、現在の課題を聞き取り、男性に協力を約束させる。そして、約束が守られたかどうか、翌年に確認する。
今では、モクブルさんを馬鹿にしていた人たちの意識も変わり、沿岸部の5郡では、かなりの数の男性が家事を分担するようになった。
夫婦の役割分担があれば家庭は簡単に繁栄すると信じていると、モクブルさんは述べた。
クルナ県ダコプ郡の日雇い労働者ラヒム・サナさんも、ほとんどの時間は外で働いているにもかかわらず、同様の模範を示している。ラヒムさんは時間を見つけては井戸から水を汲み、アヒルや鶏に餌を与え、料理のための薪を集め、妻のチョビさんの家事を手伝う。
GCAでプロジェクトコーディネートを担当するモハマド・イフテカー・ホセインさんは、SDGー5「ジェンダー平等を実現しよう」を達成するためには、男性がもっと家事に参加し、男女間の協力的な雰囲気を作る必要があるという。
「当初は性別に関係なく、家族の誰もが水汲みができるように、家族や地域の人々の考え方や姿勢に変化をもたらそうと努めてきました。社会的なスティグマを打ち破るには多くの課題がありますが、宗教指導者や地域行政官、教師、地域住民と協力し、無償の家事労働の分担に持続的な変化をもたらしています」
「しかし、まだ道のりは長く、この変化をもたらすためには協力的な努力が必要です」
ホセインさんは補足した。
Bangladesh News/The Daily Star Mar 9 2023
https://www.thedailystar.net/news/bangladesh/news/coastal-men-break-traditional-gender-roles-3266471
翻訳編集:吉本