離婚率、10年で2倍に

離婚率、10年で2倍に
配偶者と離婚や別居する人の割合はこの10年間でほぼ2倍になった。バングラデシュ統計局(BBS)の最新調査で明らかになった。

離婚や別居が増えている理由として婚姻登録官や心理学者、ジェンダー専門家らは、家庭の絆や価値の喪失、複婚制や不倫問題、バーチャル世界、精神的・肉体的な苦痛により経済的地位のある女性が結婚から手を引いていることなどを挙げた。

離婚率は2006年時点で人口1千人当たりおよそ0.6件だったが、2016年には1.1件に上昇した。別居率も0.2件から0.6件に上昇した。

報告書では女性の教育水準が離婚率に関係しているとされた。

離婚率は中等教育以上を受けている層が1千人当たり1.7件と最も高く、教育を受けていない層は0.5件だった。

農村部の離婚率は1千人当たり1.3件、都市部では0.8件だ。

管区別離婚率ではラジシャヒ管区が1.9件と最も高く、クルナ管区が1.3件でこれに続く。

年齢別では25から29歳の層が2.7件と最も高い。

ダッカ(Dhaka)では南・北両市自治体に事前通知を行う離婚者はごくわずかだ。両市の記録によれば、離婚の通知を行った人数は2012年当時は5353人で、2016年には7458人に増加した。

両市が受理したこの類の通知のうち、約70%は妻からのものだ。一部では通知を行った後、離婚を控える場合もあるが、数はあまり多くない。

BBSによれば、離婚や別居の主な原因は婚姻生活の維持不能、扶養の不能、不道徳行為、不治の病、身体的な暴力、持参金(ダウリー)、早すぎする結婚、不妊、一夫多妻があるとされる。

離婚件数は過去数年間で増加した。ダッカのクルトラ・カジ役場で婚姻登録官として働くモハンマド・マムヌル・ラシド・カーン氏はデイリースターに話した。

「平均して月に10件の離婚があります。数年前は月に5件でした」
ラシド氏はバングラデシュムスリム婚姻登録官協会の上席次官補でもある。

若い人々がバーチャル世界に曝されていること、計画性の悪い感情関係に巻き込まれること、そして不倫問題が最近の離婚増加に影響しているとラシド氏。

ラシド氏によれば、10件中7件は妻の側が離婚を求めるケースだという。
「しかし、女性の方が離婚しやすいということではありません。実際これらのケースの多くの場合、夫の側が様々な戦略的理由から妻に離婚の第一歩を踏み出させていることに気付きました」

男女の婚姻関係には多くの次元があり、様々な理由でその関係が活発になりうる。著名な心理学者のファリダ・アクタル氏はデイリースターに話した。

「今の女性は自分たちの権利をより意識しています。現代女性は誰もが自分の人生を意義あるものにしようとします。もしも何らかの関係(今の場合は婚姻)が人生の夢を達成する上での障害となれば、女性はそこから抜け出す道を選ぶかもしれません」
ファリダ氏は説明する。

婚姻前後での男女の理解の差、配偶者の異性関係への疑い、ドラッグ中毒、ごまかし、性的不能、政治的不安定の影響なども今日の離婚数に現れているとファリダ氏はいう。

タニア・ホク准教授はダッカ大学で女性・ジェンダー学を教えている。タニア氏がデイリースターに話したところによれば、女性は労働市場への参入によって自信や金銭面での自由、さらなる意思決定力を獲得し、一部では男性パートナーによる支配を受け入れないことも可能になったという。

バーチャル世界に影響を受けた人の多くは空想世界に生きる傾向があるとタニア氏は考える。そのような人々は周囲の環境から離れ、最終的には取るに足りない理由で離婚につながる。

「家庭における献身や価値が損なわれつつあります。また、目まぐるしく動く世界であまりに多くの仕事があるため、多くの人は家庭で質の良い時間を費やす余裕さえもありません」

バングラデシュニュース/The Daily Star Aug 04 2017
http://www.thedailystar.net/frontpage/marriages-get-shaky-1443259
翻訳:長谷川
#バングラデシュ #家庭 #離婚 #別居