![外国人労働者増加](https://bddnews.com/wp-content/uploads/2023/07/20230719001DM1-768x433.jpeg)
【The Daily Star】産業活動の拡大のおかげでバングラデシュで働く外国人の数は増加しているが、これは教育制度が経済活動を維持するために必要な熟練労働者を大量に生み出すことができないことも示唆している。
バングラデシュは農業経済から徐々に工業化が進み、ここ10年は6%以上の成長率を維持しているが、とりわけ製造業が貢献している。
熟練労働力、特にトップおよび中間レベルの管理職の需要を満たすことを目的として、バングラデシュ投資開発庁(BIDA)だけでも2021年から2022年にかけて、労働許可申請を1万5128件承認、前年比87.32%という驚異的な増加となった。
そのうち7790件が新規、7338件が更新を希望、 申請者は106カ国に渡る。
申請が一番多いのはロシアで、3966人のロシア人が新たな労働許可証または更新を求めている。多くのロシア人は同国の資金で建設中のパブナ県のループプル原子力発電所で雇用されている。
2位は3212人のインド、3位は2346人の中国だった。
業界関係者らによると、バングラデシュで雇用される外国人は主に先進国や工業化が著しい国の出身だという。
例えば、インド、パキスタン、トルコ、台湾、日本は、繊維・アパレルビジネスにおいて長い歴史があり、これらの国の出身者の多くはバングラデシュが求めるスキルを持っている。
一方、BIDAの他、バングラデシュ経済特区庁(BEZA)やバングラデシュ輸出加工特区庁(BEPZA)、NGO局などの政府機関や一部の省庁が、さまざまなプロジェクトの下で働く外国人に労働許可を与えている。
だが、彼らがどれだけの労働許可を承認したかは不明だ。 終了したばかりの2022-23会計年度の数字もBIDAから公表されていない。
BIDA高官は、国内の実業家や製造業者が主に繊維・アパレル会社での労働許可を求めていると述べた。
バングラデシュは現在、世界第2位の衣料品輸出国だ。
国内有数の繊維・衣料品メーカー、エンボイ・レガシー社は、外国人を雇用する企業の一つ。 現在、同社の繊維部門には8人の外国人が雇用されているが、彼らは最高経営責任者やマーケティング部門、企画部門で働いている。
エンボイ・レガシー社のクトゥブディン・アーメド会長は、外国人にはより高い給与を支払う必要があるため、同社は外国人雇用にそれほど関心がないとしたうえで、技術部門では熟練した人材を雇用することが不可欠だとした。
「国内従業員では需要に応えられないため、外国人を採用しています」
同社はこれまで25人の外国人を採用してきた。
マヒン・グループの会長兼社長のアブドラ・アル・マフムード氏は、バングラデシュ工科大学などトップクラスの大学を卒業した多くの学生が職を求めて海外に流出し、国内の工場レベルで働くことには消極的だとした。
「その一方で、外国人熟練労働者は工場の敷地内に常駐し、必要なときにいつでもサービスを提供します」
バングラデシュ衣料品製造輸出業者協会(BGMEA)のアシフ・アシュラフ理事は、国内に多くの人的資源はあるが、有能な管理者が不足していると述べた。
また、製造業部門では優れた学歴を持つ卒業生やダッカ大学経営管理研究所を卒業した卒業生は常に高い需要があるとした。
ダッカ首都圏商工会議所のモッド・サイフル・イスラム会長は、国内産業は有能な卒業生により良い報酬を提供するが、彼らは長く働くことはなく、ほとんどが海外へ行ってしまうと嘆く。
「世界中で熟練した人材の危機が起きています」
イスラム氏は述べ、経験豊富な従業員も同様に先進国の国民になるとした。
バングラデシュ国際ホテル協会のハキム・アリ会長は、ほぼすべての五つ星ホテルでは総支配人やメインシェフになる熟練人材が不足しているため、外国人を任命しなければならないとした。
シンクタンクのビジネス・イニシアティブ・リーディング・デベロップメントの元会長アブル・カセム・カーン氏は、従業員の間にスキル格差があると述べた。
バングラデシュ政策研究所のオーサンHマンスール事務局長は、バングラデシュで働く外国人の数は許可件数よりも多いという。
「政府運営のプロジェクトで雇用されている外国人は労働許可証を取得しています。彼らとは別に、観光ビザで働きに来ている外国人が多数おり、その多くは民間、特にアパレルや医療分野で雇用されています」
マンスール氏は、現地では熟練人材が得られないため、企業は外国人を雇用していると述べた。
「何も問題はありません。しかし、彼らは何の許可も得ずに働いているので、ここでは誠実さが問題になります」
外国人による母国への送金に関する正確なデータは入手できない。 だが、マンスール氏は、海外送金は数十億ドルに上る可能性があるとした。
「これは経済的な現実です。国内で代替手段が見つからない限り、我々はこれを受け入れざるを得ないでしょう」
国際通貨基金の元エコノミストでもあるマンスール氏は政府に対し、外国人専門家が合法的に働くことを奨励するため、寛大に労働許可証を発行するよう求めた。
「これにより、所得税という形で政府の収入も確保されることになります」
マンスール氏は、いかなるグレーマーケットの運営も基本的には規制の制約の結果であると述べ、当局が労働許可証の発行時に税金を徴収することを提案した。
Bangladesh News/The Daily Star Jul 19 2023
https://www.thedailystar.net/business/economy/news/foreigners-working-bangladesh-the-rise-3372771
翻訳編集:吉本