デジタル国家への道

デジタル国家への道
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国際社会はバングラデシュがデジタル化で成し遂げた発展に感銘を受けた。通信部門の専門家2人はいう。

国際電気通信連合(ITU)の趙厚麟事務総局長、バングラリンクの親会社ヴィンペルコムの共同創設者オーギー K ファベラ氏は、国内初の"ITインキュベーター"の開催式典で、デイリースターから共同取材を受けた。

"ITインキュベーター"は情報技術(IT)企業を促進する政府のプロジェクトの下、バングラリンクがカルワンバザール(Karwan Bazar)のジャナタタワー・ソフトウェア・テクノロジーパークで開催したものだ。

バングラデシュはデジタル国家になるため、小中規模企業の参加や新規起業という経済活動を必要としている。

フェイスブックやグーグルも15~20年前に起業された会社だ。
「今やこの2社は世界の技術的な巨人となりました」
趙氏は話す。

「この2社がこれほど成功できたというのに、発展途上国の若者たちにできないという事があるでしょうか。彼あるいは彼女が自宅でフェイスブックやグーグルに代わるものを作り上げるかもしれません」

フェイスブックやグーグルは大企業ではあるが、中小企業の支援を必要としており、バングラデシュの輝かしき若者たちは自宅に居ながらにしてこの2社に貢献できるのだ。

バングラデシュ政府は中小企業や新規起業者に非常に協力的であり、これは称賛するべきことだと趙氏はいう。

趙氏によると、発展途上国で大企業を設立することは容易ではないという。

「ITUでは若き起業家たちを国際的なプラットフォームに配置し、成功物語を提供し、彼ら彼女らが良きパートナーと提携できるようにもできます」

趙氏はすでに三度バングラデシュを訪問しており、その度、良い方向に進んでいるのを目にしている。

「バングラデシュの人々はとても良くやっています。我々の期待以上です」

"インフォレディ"のケースに関して趙氏は、政府に対し、社会に大きな変革をもたらすためにこの類のプロジェクトの支援を行うように提案した。

またバングラデシュ政府はデジタルインフラ建設について、官民パートナーシップにさらに重きを置くべきだという。

ファベラ氏によると、バングラリンクとヴィンペルコムは情報通信技術(ICT)部門を加速させるべく、情報通信省と共同で国内の若者たちへの研修を計画しているという。

"バングラリンク・グランドマスター・アイデアコンテスト"には2万人以上の学生が参加した。このコンテストでは数百万人の生き方を変えるような携帯アプリのアイデアを競う。

"デジタル・バングラデシュ"実現に向けて更なる試みとして、国内の30万以上の学生がバングラリンクによるインターネット啓発キャンペーンによって教育された。

「収益構造は殆ど整っていると私は考えています。周波数帯の中立性を得られれば、よりサービスを提供しやすくなり、より多くの人々がデジタル舞台に上ることができるでしょう」
さらに第4世代(4G)サービスはこの過程を加速させるとファベラ氏は言う。

"デジタル・バングラデシュ"構想を加速させるため、国内の当局と提携する予定だとファベラ氏は話す。
「デジタルサービスの提供が未来への道筋であると信じています」

デジタスサービスの提供者となるには、適切な技術が必須だ。

「ゆえに企業は顧客への更なる奉仕のため、適切な技術を開発・誘致し、従業員を本当のデジタル通にする研修に力を注いでいるのです」

デジタル文化や適切な物の見方が重要であるとファベラ氏は考える。

バングラリンクはグラミンフォンに次いで国内2番手の携帯電話会社だ。同社社員は顧客により良い奉仕を行うため、未知の領域にためらわずに足を踏み入れるよう勇気づけられることだろう。

ファベラ氏は政府に対し、携帯電話会社に金融サービスの取り扱いも許可するよう求めた。

ヴィンペルコムはバングラデシュ以外にも18ヶ国で操業しており、すべての国でモバイル金融サービス(MFS)を提供している。

「MFSを取り扱う機会を得られれば、事務処理部門も栄えるでしょう」
さらにバングラリンクは顧客のお金に対してより強い安全を提供でき、違法な資金移動を防止できるという。

ファベラ氏はロビとエアーテルの合併に関して、バングラリンクは競争を歓迎し、市場での地位を保持するため最善を為し続けるという。

だがこの合併は国内の通信部分野の状況を変化させるだろうとファベラ氏は考えている。

市場での地位を守るため、ヴィンペルコムには更なる投資が必要となりそうだ。

携帯電話番号ポータビリティ(MNP)の導入に向けた政府の動きについてファベラ氏は、これを歓迎し、望みのネットワークを選択する自由が顧客に与えられるだろうと話した。

「バングラリンクは良い競争の到来を予期しています。ひとたびMNPが開始されれば、各社はそれぞれの提案や利点で顧客を引き付ける必要が出てくるためです」

趙氏はさらに政府による衛星戦略も評価しており、衛星はバングラデシュがデジタル国家となるためには何としても必要な設備であるという。

「バングラデシュと他国間で、衛星軌道の位置について未解決の問題はありますが、ITUはそれらの問題を短い期間で解決する助けになれます」

The Daily Star Aug 07 2016
http://www.thedailystar.net/business/telecom/bangladesh-track-digitisation-1265551
翻訳:長谷川

#バングラデシュ #ニュース #通信