中国企業がパイプライン建設

中国企業がパイプライン建設
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ベンガル湾のタンカーから本土の備蓄プラントまで石油を運ぶパイプライン建設プロジェクトは、6年遅延の末、ようやく日の目を見た。だがその費用は当初の4倍に跳ね上がる見通しだ。

内閣経済委員会は昨日、政府間協定に基づき、中国石油パイプライン局にパイプライン建設の承認を出した。

現時点のプロジェクト費用は542億6千万タカ(6億9400万ドル、716億6千万円)で、中国の輸出入銀行から5億5040万ドル(569億1千万円)の低コスト融資を受ける。プロジェクトは2018年までに完成する予定だ。

このプロジェクトが国家経済会議実行委員会(ECNEC)によって最初に承認された2010年時点、費用は1億5900万ドルと見積もられ、2012年までに実施されることになっていた。

何度かの修正案で費用の見積もり額が6億3282万ドル(654億4千万円)にまで増加したため、プロジェクトは2015年12月に再承認された。

イースタンリファイナリー株式会社の上級役員によると、プロジェクトでは当初パイプライン1本の建設を提案していたが、その後2本の建設に変更されたという。当初のプロジェクト設計に欠陥があり、そのためドイツのコンサルタント会社が内容を変更したという。

設計変更や工期の延長で費用が増えたのだと上級役員。

プロジェクトでは、大型石油タンカーが停泊するショナディア(Sonadia)島区域の深海部に係留用設備を建設する。

最新のプロジェクト設計では、32キロ先にあるマヘシュカリのマタールバリ(Matarbari)島の備蓄プラントへ石油を送るため、口径36インチの大型パイプラインが1本設置されることになっている。当初の設計ではパイプラインは16キロだった。

さらにもう1本、口径18インチで長さ188キロのパイプラインを設置するが、こちらは当初94キロの予定だった。片方のパイプラインは原油を送り、もう片方はディーゼル燃料を送る。

現在は大型タンカーが深海部に停泊し、小型船で石油の積み下ろしを行い、チッタゴン(Chittagong)のイースタンリファイナリーまで運搬する。ライタリング(lightering)と呼ばれるこのプロセスは費用が掛かり、10万トンの石油を荷降ろしするまで11日間必要だ。時間や費用以外にも、このプロセスでは多量の石油が組織的に盗まれる。

だがパイプラインが導入されれば、石油を積んだ船は2日間で空にできる。これにより費用が削減され、盗難も防げるという。

省の試算ではパイプラインによって政府は年間100億タカ(132億円)を節約でき、プロジェクト費用は5~6年で元を取れるという。

当初はイスラム開発銀行がプロジェクトの資金調達を行う予定だったが、費用が跳ね上がったため撤回した。

その後、プロジェクトの資金提供に中国政府が興味を示し、建設作業担当に中国石油パイプライン局を指名した。

The Daily Star Sep 01 2016
http://www.thedailystar.net/business/chinese-firm-gets-contract-build-oil-pipeline-1278610
翻訳:長谷川

#バングラデシュ #ニュース #パイプライン