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「バスはいつ着くの?」
ライヤン君(6歳)は我慢できず父に尋ねた。
ダッカ(Dhaka)のガブトリ(Gabtoli)バスターミナルで3時間以上待っているこの男の子は、しだいに落ち着きをなくしていた。
ライヤン君が何度も同じ質問をするので、父のマームード チョウドリーさんはバスはもうすぐ来ると言ってライヤン君を落ち着かせようとした。
ライヤン君は午前7時ごろに家を出発する前、クルナ(Khulna)にある祖父母の家へ行き、久しぶりにいとこに会えることにわくわくしていた。だがターミナルでの長時間の待ちぼうけは、彼の気分を台無しにしてしまったようだ。
バスは午前8時30分にガブトリを出発することになっていた。だが往復中のバスは午後12時30分ごろになってもまだシャバール(Savar)付近にいた。
「バスはいつ(ガブトリに)到着し、私たちはいつ故郷の村に着けるのかわかりません」
マームードさんは言う。その顔には不安が溢れていた。
昨日、ダッカのバスターミナルでは、マームードさんのような不安な表情が至る所で見られた。イード アル アドハー(Eid-ul-Azha)を大切な人たちと祝うため、数万人が故郷の村への帰省を始めたからだ。
昨日は政府職員にとって、イード前最後の仕事日だった。政府はイード休み前の唯一の仕事日だった9月11日を公休日としたため、職員は6日間の休暇を楽しめることになる。
ダッカ-タンガイル(Tangail)高速道路、ダッカ-チッタゴン(Chittagong)高速道路、ダッカ-シレット(Sylhet)高速道路の長距離渋滞や、パドマ川の強い流れによるフェリー便の混乱は、様々な県を目指す帰省者たちを苦しめた。
故郷の村でイードを祝うため、およそ600~650万人がダッカを離れた。このうちおよそ450万人はバスの旅、およそ50万人は列車の旅、およそ120万人は船の旅だ。
バングラデシュ統計局の2014年都市部報告によると、都市居住者数は1410万人だという。
ポトゥリア(Paturia)フェリーガート(河岸階段)では午後、およそ500台の車両が川を渡るため待機していた。現在はフェリー19隻のうち13隻が運航している。
ポトゥリア乗り場へ到着する4隻のフェリーは全て運航していたものの、川の流れが強くフェリー便は混乱した。
この状況で多くのバス会社が乗客に川を越えさせるため、船を手配せざるを得なくなった。乗客はその後、同じ会社の別のバスに乗るという。
これまでと同様に、帰省者の大部分は道路の旅を選んでいる。だが今回、彼らの旅路は快適からは程遠いものだ。
ガブトリやモハカリ(Mohakhali)のバスターミナルを訪れた特派員は、数百人の旅行者が朝からバスを待っているのを見かけた。
「バスの出発時刻が午前10時だったので、私たちは交通渋滞を恐れて早いうちにガブトリへ来ました。もう昼の12時ですが、まだバスは到着しません」
民間企業の会社員シャカワト ホサインさんは話した。ホサインさんは家族とともにジョイプールハット(Joypurhat)に向かっている所だ。
ホサインさんと同様、ガブトリのバルールマト(Balurmath)地区のハニフ(Hanif)パリバハン(Paribahan、都市間バス)窓口では、数百人の乗客が待機していた。
バスは朝から4~5時間の遅れが出ているため、チッタゴンやフェニ(Feni)、コミラ(Comilla)、ラクシュミプール(Laxmipur)、その他の隣接する県に向かう乗客たちが最も苦しんでいた。
「私はここで4時間待っていますが、バスは来そうにありません」
午後1時ごろ、アラムバグ(Arambagh)のシヤモリ(Shyamoli)パリバハン窓口で乗客のアルシャド チョウドリーさんが話した。
シヤモリパリバハンの職員ディネシュ ダスさんによると、ダウドカンディ地区の長距離渋滞の影響で、多くのバスがダッカ-チッタゴン高速道路で数時間にわたって孤立しているという。
ダッカ-ボグラ(Bogra)間を往復しているエコタ(Ekota)パリバハンの職員によると、午前8時に到着予定だったバスは午前11時半までターミナルに到着できなかったという。
[高速道路での懸念]
ダッカ-チッタゴン高速道路では交通量超過により、早朝からメグナ(Meghna)橋からダウドカンディ地区まで13キロメートルの渋滞が発生した。
サウジア(Saudia)パリバハンのバス運転手サタダル ダスさんは、午前12時ごろにチッタゴンを出発したと話す。ダウドカンディに着くのに5時間かかり、そこでさらに午前10時まで立ち往生したという。
午前7時にこの報告を書き上げるまでに、コミラのメグナ-ゴマティ(Gomati)橋からナラヤンガンジ(Narayanganj)のカンチプール(Kanchpur)橋の間で30キロメートルの渋滞が発生した。
標識からナラヤンガンジのムグラパラ(Mugrapara)までは10キロメートルの渋滞が発生した。
特派員報告によると、ダッカ-タンガイル高速道路では、ガジプール(Gazipur)のチャンドラ(Chandra)からタンガイルのエレンガ(Elenga)までの64キロメートルで一日中車の流れが遅く、乗客は大きな我慢を強いられたという。
高速道路警察や輸送会社によると、この狭い高速道路は北部20数県に通じる北の玄関口で、毎日1万5千~2万台の車両が利用するという。
だがイードによる混雑時にはその数がおよそ3万5千台に増える。
ダッカ-シレット高速道路では日中、ナラヤンガンジのブールタ(Bhulta)地区で5キロメートルの渋滞が発生した。だが特派員によれば夕方には緩和されたという。
[コムラプール駅では]
コムラプール(Kamalapur)駅の状況は比較的良好だった。乗客でいっぱいになった電車のほぼ全てが、駅を時間通りに出発できたためだ。
だが、ラジシャヒ急行にはおよそ1時間半の遅れが生じた。
「列車は午前11時半にラジシャヒに向けて出発することになっていました。今は午後1時ですが、まだ列車の知らせがありません」
コムラプール駅で息子と共に列車を待つ高齢男性は話した。
駅にいた帰省客の多くは列車のサービスに満足していた。
ラジシャヒ行きのシルクシティトレインに乗った政府職員のラビウル イスラムさんは次のように話した。
「列車は乗客でいっぱいでしたが、自分の席を取れたので満足しています」
コムラプール駅職員によると、鉄道当局はフェリーガートのトラブルに伴い、クルナ行きの旅客列車に客車を追加する動きを見せたという。
鉄道職員によると1日に125本の列車が往復しているという。
一方、サダールガート(Sadarghat)船舶ターミナルには乗客がまだ押し寄せていない。運営会社は今日大きな混雑があると予測している。
「混雑に対処できるほどの十分な数の船があります」
バングラデシュ内陸水運(乗客輸送)協会のバディウッザマン バダル上席副会長は話した。
The Daily Star Sep 09 2016
http://www.thedailystar.net/frontpage/today-may-be-worse-day-1283023
翻訳:長谷川
#バングラデシュ #ニュース #イード #渋滞
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