トウモロコシ生産急成長

トウモロコシ生産急成長
2350字

コーンとして知られるトウモロコシが微かに、そして静かに、米に次ぐバングラデシュで最も重要な穀物として、小麦を三位に押しやり浮上してきた。

国内トウモロコシの年間生産量は2015~16年にかけて275万トンと新記録に達し、そのうち90%が急成長する家畜や養魚産業に供給されている。

年間米生産量は3400万トン以上と、バングラデシュは米の自給しているが、一方年間500万トンの小麦需要を満たすため、大部分を輸入に頼っている。

国内の小麦生産は気候や土地の要因でたった100~130万トンあたりでとどまっている。昨シーズンの小麦はバングラデシュが初めて経験した菌による被害"ウィートブラスト"に苦しんだ。

90年代中頃、バングラデシュでトウモロコシの商業栽培が始まって以来、1997~98年のわずか6万5千トンから昨年の275万トンまで生産量は伸び、国内で最も急速に広まった作物となっている。

政策立案者や生産者、市場関係者はトウモロコシ生産量の驚異的な成長はいくつかの要因によるものとみている。飼料産業の需要や農家の増益、灌漑の必要性の少なさ、高い収穫量が見込める国内産と海外産のハイブリッド種、政策や研究の全体的な下支えなどだ。

家畜や養魚産業の成長と関連してトウモロコシ農業の革新は進んできたが、政府は現在トウモロコシを飼料作物としてではなく、食料としての生産を試みている。

農業省のモティア チョウドリー(Matia Chowdhury)大臣はデイリースターに対し、「トウモロコシはビタミンAが豊富です。我々はトウモロコシと小麦が混ざった粉の生産を促進しています。小麦粉のように粘り気のある仕上がりになれば、国民はトウモロコシ粉で作ったロティ(手作りの平たいパン)も受け入れてくれるでしょう」

「遺伝的介入へ向かうよう私はCIMMYT (国際トウモロコシ・小麦改良センター)に要求します。そうすれば粘り気のあるトウモロコシ品種が利用可能になるでしょう」
モティア大臣は昨日、トウモロコシと小麦の研究機関としては第一人者CIMMYTの設立50年周年記念行事に出席するため、メキシコに出発する直前にそう話した。

トウモロコシは地球全体で10億トンの生産を誇る世界第1位の穀物であり、米と小麦がそれぞれ年平均約700万トンとそれに続く。

バングラデシュ農業研究機関(Bari)のアミルザーマン(Amiruzzaman)チーフ科学技術員はこの機関の農作物部門を率いる。彼は長い間、バングラデシュのトウモロコシ栽培の研究と、現場レベルの開発に従事してきた。

高い投資と管理が必要な冬季のボロ米栽培で農家が利益を出せずにいるのに対し、トウモロコシの利益は相当だとアミルザーマン氏は話す。1キロのボロ生産で3千リットル以上の水が必要なのに対し、トウモロコシは700リットルしか必要としないという。

米国農務省(USDA)は最近、バングラデシュの農家は、トウモロコシでは1ヘクタールあたり1421ドル投資し、2275ドルを稼ぐが、ボロ米では1319ドルの投資で1081ドルの収入しかもたらさず、採算の取れない活動だと報告している。

トウモロコシに比べ、小麦栽培でも利益は少ない。農家は小麦1ヘクタールあたり663ドルの投資で823ドル強を得る。USDAの「バングラデシュの穀物・飼料年間報告書」はそう述べる。

「トウモロコシ1ヘクタールあたりの驚異的な利益は小麦と米の2.4倍にあたります。トウモロコシは虫による被害や病気が少ない」国連食糧農業機関(FAO)の報告書ではそう述べられている。さらに「乾期に米からトウモロコシにシフトすることで、農家は地下水を過剰搾取から守ることができる」とも。

ハイブリッド種子の輸入と発展のおかげで、バングラデシュのトウモロコシの平均収穫量は1ヘクタールあたり7トンを超えている。米は4トン、小麦は3.5トンだ。

Bariは22のトウモロコシ品種を開発し、そのうちの13品種は1ヘクタールあたり10トンの収穫が見込める。最近では4分の1以上のトウモロコシ種の需要を国内産が満たし、それ以外が輸入されている。

2008年のBariハイブリッドBhutta-11の公開後、国内第一の農業研究機関はさらに2品種、BariハイブリッドBhutta-12と13を生み出した。

アミルザーマン氏はこれらの品種がバレンダ地域の水不足の解決策になったと話す。水不足によりボロを育てることができない農家は、水を少ししか必要としないこれらのハイブリッドトウモロコシ品種は育てることができると説明した。

政府は南部の塩害地域でも、トウモロコシを勧めようとしている。
「我々は耐塩性トウモロコシ品種を開発を進め、2年後、この計画の大きな進歩を期待しています。」

北部地方の多くの農家はボロ米栽培の代わりにジャガイモに変更し、残った肥料を活用することでより少ないコストでトウモロコシを栽培するため、(ジャガイモを)早期収穫するだろうとアミルザーマン氏はいう。

トウモロコシ生産量が300万トンに近づいているとモティア大臣は話し、以下のように続けた。
「鳥インフルエンザが原因の家畜産業の停滞がなければ、現在までに600万トンまで達していたはずです」

これは生産統計から明らかだ。

トウモロコシ生産は年間生産量が134万トンまで伸びた2007~08年度まで成長を続けたが、鳥インフルエンザの影響で家畜産業への供給が停滞し、翌年は73万トンまで生産量が落ちた。

The Daily Star Sep 26 2016
http://www.thedailystar.net/frontpage/amazing-growth-maize-output-1289713
翻訳:米澤
#バングラデシュ #ニュース #農業 #トウモロコシ