製鉄部門の回復まだ遠し

製鉄部門の回復まだ遠し

【The Daily Star】新型コロナウイルスパンデミックで需要が減少しているため、工場は操業を制限せざる得ず、その結果、バングラデシュの製鉄部門の従前への回復はまだ遠いと、業界関係者らは述べた。

ほとんどの製鉄メーカーは建築用によく使われる60等級の軟鋼(MS)を販売しているが、工場の稼働率は50%以下で、この大変な時期にも関わらず、生産コストよりも低い価格で販売せざるを得ないという。

また、鉄鋼スクラップの需要が多い秋にも関わらず供給が不十分で、原材料不足に直面している。

国内で使われる原料の90%は、米国、英国、カナダ、イタリア、オーストラリアから輸入される。

新型コロナウイルスの拡大を食い止めるため、3月に全国一律の閉鎖が宣言されて以来、全ての経済活動は完全に再開するまでには至っていない。

「過去6カ月間で、製鉄産業の損失は約600億タカ(792.9億円)に達しました」
バングラデシュ製鉄工場経営者協会(BSOA)のマンワール・ホセイン会長は述べた。

「私たちは世界市場での低需要と鉄鋼スクラップの15%の価格上昇で、損失に直面しています」

アンワール産業グループの社長でもあるホサイン氏は、どのメーカーも自分たちの製品を手っ取り早く売って利益を上げようとしているため、国内市場では不健全な競争が起きていると言い切った。

パンデミック前は1トン当たり6万1500タカ(8万1268円)だった60等級のMS価格は5万3500タカ(7万697円)となり、工場レベルで約15%下落したという。

メーカーは運営コストを補うため、低価格での販売を余儀なくされている。

だが、これは長期的に見て適切モデルではなく、多くの企業が崩壊する可能性がある。

その上、ここ数カ月の絶え間ない雨は倉庫内の製品を損傷させ、錆びた鉄の買い手はいないとマンワール氏は肩を落とした。

【中略】

バングラデシュ製鉄工業会のMdシャヒドゥロー事務局長は、バングラデシュには年間900万トンの製鉄能力を持つおよそ40の工場があると述べた。

そのうち、アブル・コイル(Abul Khair)製鉄、GPH製鉄、BSRM、KSRMは、年間約800万トンの国内需要の半分以上を満たす。

「パンデミックの影響で原材料を調達しているすべての国のサプライチェーンが寸断され、我々は窮地に立たされています」

政府のインフラプロジェクトが、バングラデシュの鉄鋼消費量の35~40%を占めている。10年前は15%だった。

製鉄工場が60~70%の能力で稼働すれば、損益分岐点を維持することができるはずだが、国内製鉄メーカーは現時点ではまだ40%以上の生産レベルに達していないと、シャヒドゥロー事務局長は補足した。

Bangladesh News/The Daily Star Sep 30 2020
https://www.thedailystar.net/business/news/recovery-still-long-way-steel-makers-1969833
翻訳:吉本

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