イード間近で売上回復

イード間近で売上回復

【The Daily Star】イード祭まで1週間を切ったが、消費者がショッピングセンターに押し寄せて売上が回復したことで、小売業者に笑顔が戻ってきた。

イードを前に、何百万人もの消費者が衣類や履物、電子製品、家電製品、その他ファッションアイテムを購入するため、ショッピングモールや市場、路上の屋台へ押し寄せている。

イスラム教徒が多数を占めるバングラデシュ最大の宗教祭の1つ「イード・アル・フィトル」は、断食(ラマダン)月1週目から続くショッピング繁忙期で、年間売上のおよそ3分の1を占める。

昨年は政府が長期の外出禁止令を出したために売上が激減した小売業者は、今年のボヘラ・ボイシャック(ベンガル新年)とイードに賭けていた。

ところが、感染率は3月中旬から上昇、4月5日には第2波対策として7日間の外出禁止が課せられ、売上げ好調という楽観的な見方に冷や水を浴びせられた形となった。

その後、国内他地域とダッカとの往来や県をまたぐ移動が禁止されたが、取り締まりは徐々に緩やかになってきた。

そして、政府が4月25日からショッピングモールや商店、市場の再開を許可したことで、小売業者の期待は再び高まった。

21店舗を展開する生活スタイルブランド「アーロン(Aarong)」の場合、2019年のイード祭と比較して売上は65%まで回復した。

「ここ数日、売り上げは好調です。店舗の営業時間を延長することが認められれば、もっと多くのお客さまを獲得できるでしょう」
モハンマド・アシュラフル・アラム最高執行責任者は述べた。多くの顧客はイフタール(日没後最初の食事)後にショッピングへ出かけるので、営業時間が延長できればさらに売上はあがるという。

アーロン社はコスト削減のため、通常追加雇用する700~800人のスタッフを200人に抑えた。

ベキシムコ(Beximco)のファッション・ライフスタイル・ブランド「イエロー」のライハン・カビル販売部長は、売上は改善したものの、多くの消費者が実店舗を避けていると述べた。

イエローのオンライン売上はこの2週間で10倍になったが、カビル氏はその理由をブランド価値と超優良顧客にあると考えている。

「アンジャンズ(Anjans)」の経営者シャヒーン・アーメド氏によると、イード売上の約40%はラマダンの前半に、残りは後半になってからだとした。

「ラマダン前半の10日間はロックダウン中だったため、売上は芳しくありませんでした。その後、徐々に回復し、通常の50%程度に回復しました。予想していた落ち込みに比べれば順調です。ラマダン最終週はいつも売上が伸びるので、今回も加速してくれることを期待しています」
バングラデシュファッション起業家協会会長でもあるアーメド氏は述べた。

「ケイ・クラフト(Kay Kraft)」の共同設立者カリド・マウムード・カーン氏は、ここ数日売上が伸びてきたと言う

「この傾向が続けば回復は可能です。売上高は2019年レベルに達していませんが、40%程度は達成できるかもしれません」

首都シャウバグ(Shahbagh)のアジズ・コーポ・スーパーマーケットにあるファッションハウスは、顧客層である大学生が戻らず、売上回復には程遠い。

「昨年3月から教育機関が閉鎖されているため、主な顧客の大学生や専門学生が来なくて無為に時間を過ごしています。彼らは今、ダッカ以外の場所にいます。私たちは失望するばかりです」
ランソン(Lanthon)ファッションハウスオーナーのウジジワル・ダス氏は述べた。

ダス氏は、2019年と比較すると売上は20%程度だと予想する。家賃やその他経費を支払うために、貯金を取り崩さなければならないと肩を落とした。

パンデミック前は毎日1万8千タカ~2万タカ(2万4千~2万6千円)を売上げていたゴウチア(Gauchia)で化粧品店を経営するジョバヤー・ホサイン氏は、現在は1万~1万2千タカ(1万3千~1万6千円)という。

「パンデミックの影響でビジネスが立ち行かなくなり、昨年借りたお金を返すのに苦労しています。さらに、従業員の給料やボーナスも支払わなければなりません」

パンジャブ(南アジアの民族衣装)需要の約70%を満たすバングラデシュ最大の卸売市場ショドルガット(Sadarghat)のシャリフ・マーケット。

同市場にあるサイード・ガーメンツ(Syed Garments)の営業部員アツル・チョードリー氏によると、売上は低迷しており、通常の40%に過ぎなかったという。

「ロックダウンのため、多くの商人がラマダン前にパンジャブを買いにダッカへ来ることができませんでした。もし彼らが来られればビジネスはもっとうまくいっていたでしょう」。

ダッカ市のイスラムプール・マーケットで布地の卸売りをするMdセリム氏もチョードリー氏と同意見だった。
「状況はよくありません。銀行から借金もあるし、店や従業員の経費もかかっています」

ベータ(Bata)の小売部門責任者アルファヌル・ホック氏は、2019年と比較するとビジネス規模は70%程度だという。
「この売上ではイードの終わりに利益を出すことはできません。この一年、ビジネスはうまくいっていません」”

トランスコム電気(Transcom Electronics)サイカト・アザド販売部長は、冷蔵庫の売上は順調だったものの、エアコンやテレビの売上は低調だったとした。
「あまり手ごたえは感じていません。イードまであと3~4日ありますが、少しでも売上が伸びることを願っています。ですが、販売目標を達成するのは非常に難しいでしょう」

サムスン製品正規メーカーのフェア・グループ(Fair Group)のモハンマド・メスバ・ウディン最高販売責任者は、4月に低迷したスマートフォンの売上が5月に回復してきたと述べた。
「このままの傾向を維持できれば、2019年のイード期間に達成した売上に近づくことができるでしょう」

バングラデシュ商店主協会のヘラル・ウディン会長は、パンデミック前に比べて、売上は大きく低迷したと述べた。

Bangladesh News/The Daily Star May 11 2021
https://www.thedailystar.net/business/news/sales-pick-eid-nears-2091717
翻訳編集:吉本

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