送金伸び率南アジアで最高

送金伸び率南アジアで最高

【The Daily Star】現金からデジタルへ、インフォーマルからフォーマルへと流れがシフトしたことにより、2020年のバングラデシュへの送金の伸びは前年比18.4%増と、南アジアで最も高い伸びを示した。世界銀行(WB)が最新レポートで発表した。

WBの「移住と開発の概要」によると、南アジア最多の送金受取国インドへは前年から0.2%減少したが、第2位のパキスタンは17%の増加となった。

バングラデシュは南アジアで第3位だが、20年は220億ドル(2兆4417億円)という記録的な送金を受取り、中低所得国第7位、世界第8位となっている。

送金は国内総生産の6.6%を占めるという。

2019年は183億6千万ドル(2兆377億円)で世界第9位だった。

送金が安定した主な要因は、財政刺激でホスト国の経済状況が予想以上に良好だったこと、現金からデジタルへ、インフォーマルチャネルからフォーマルチャネルへと流れがシフトしたこと、原油価格や為替レートの周期的な動きなどが挙げられるという。

バングラデシュとパキスタンへの送金急増により、南アジア各国への送金は前年比約5.2%増、1470億ドル(16兆3150億円)に達したという。

公式に記録された低・中所得国への2020年送金額は5400億ドル(59兆9330億円)で、2019年の5480億ドル(60兆8209億円)を1.6%下回った。

インドは世界でも南アジアでも最大の送金受取国で、2020年には前年比0.2%減の831億5千万ドル(9兆2286億円)を受取った。減少の主な原因はアラブ首長国連邦からの送金が17%減少したことで、米国その他からの流れを相殺したことによる。

世界第6位のパキスタンは、2020年に261億1千万ドル(2兆8979億円)を受取った。サウジアラビアからの伸びが最も大きく、次いで欧州連合諸国、アラブ首長国連邦となっている。

スリランカは5.8%の伸びを示した。

世界第2位は中国で595.1億ドル(6兆6048億円)を受取った。続いてメキシコが428.8億ドル(4兆7591億円)、フィリピンが349.1億ドル(3兆8746億円)、エジプトが296.0億ドル(3兆2852億円)だった。

一方、2020年第1四半期に17%減少したネパールは、約2%減少した。

高所得経済圏の成長が緩やかになり、GCC(湾岸協力会議)諸国への移民がさらに減少することが予想されることから、2021年の南アジアへの送金流入額は3.5%増と、やや鈍化すると予測されている。

「世界各地の家庭が壊滅的な打撃を受ける中、送金は貧しい人や弱い立場の人にとって重要なライフラインであり続けています。支援的な政策対応は国の社会保護制度とともに、移民を含むすべてのコミュニティを包括するものであり続けるべきです」
WB社会保護・労働・雇用担当グローバルディレクターのミハエル・ルトコフスキー氏は述べた。

「送金流入の回復力には目を見張るものがあります。送金は各世帯の生活支援に対するニーズの高まりに応えています」
移民と送金に関する章の執筆者で「移民と開発に関するグローバル・ナレッジ・パートナーシップ(KNOMAD)」代表のディリプ・ラサ氏は述べた。

「もはや、小さな変化として扱うことはできません。世界銀行は20年近くにわたり、移民と送金の流れを監視してきました。私たちは政府やパートナーと協力して、タイムリーなデータを作成し、送金の流れをより生産的なものにしています」

Bangladesh News/The Daily Star May19 2021
https://www.thedailystar.net/frontpage/news/remittance-inflow-country-sees-highest-growth-south-asia-2094541
翻訳編集:吉本

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