海外出稼ぎ労働が増加

海外出稼ぎ労働が増加

【Financial Express】2020年に低迷した人材輸出が回復したことで、バングラデシュはここ9カ月間、30万人以上の労働者を海外へ送り出したことが、公式統計で明らかになった。

2021年1月~9月に海外へ渡った労働者は31万7799人で、2020年1年間より46%、10万130人増加した。

このほど発表された人材雇用訓練局(BMET)のデータは、昨年のコロナ禍に起因する落ち込みと、パンデミック第2波後の回復を反映している。

2020年はコロナウイルスの感染チェックのため、主要出稼ぎ先国が一定期間航空機の運航を停止して多くの労働者が戻ってくる一方、新たな採用活動は滞り、人材派遣会社が送り出した労働者は21万7669人だった。

BMETの最新データによると、海外へ渡った労働者は9月だけで4万2008人、状況は好転している。

関係者によると、サウジアラビアでは民間におけるバングラデシュ人労働者の雇用枠が30%から40%に拡大され、現在、拡張枠で採用しているという。

人材採用担当者は、バングラデシュがこの機会を適切に利用することができれば、湾岸諸国による労働者の採用は今後「数倍」になると予測した。

サウジアラビアは9月に3万1238人のバングラデシュ人労働者を採用した。2番目に採用の多かったのはオマーンで4661人、カタールの1568人、ヨルダンの1324人が続いた。

バングラデシュは9月、33カ国に労働者を派遣している。

バングラデシュ国際人材紹介会社協会(BAIRA)のアリ・ハイダー・チョードリー前事務局長は、海外での安定した人材採用について楽観的な見通しを持っている。
「願わくば、労働者の流出傾向が今年の残りの数カ月間続くことを願っています」

人材紹介会社は現在、サウジアラビアからの約10万人の需要に対応しているという。
「この傾向が続けば、2021年には50万人近くの労働者を送ることができるでしょう」

だが、チョードリー氏は、バングラデシュはより多くの国際市場で仕事を探すべきだという。多くの国がパンデミックによるロックダウンから回復し、労働力不足に悩まされているためだ。

マレーシアが近いうちにバングラデシュからの採用を再開すれば、かなりの労働者がそこに吸収されると、チョードリー氏は具体的に言及した。報道によれば、ASEAN諸国はすでにより多くのバングラデシュ人労働者を採用することを検討しているという。

一方、採用担当者は、政府は海外の労働市場の可能性を広げるため、人材採用担当者と求職者用の施設を強化すべきだと述べた。

海外労働者の人権活動家は、労働者が渡航先で苦しむことがないよう、質の高い労働力の必要性を強調した。また、海外に派遣する前に市場分析が不可欠だとした。

オビナシ・カリム・ウンナヤン・プログラム(Ovibashi Karmi Unnayan Program:OKUP)のシャキルル・イスラム会長は、安全で秩序ある海外労働を実現するために「ビザ取引」を防止すべきだと述べた。

このような非倫理的な慣行のため、労働者は高額な人材紹介料を支払い、さまざまな形で虐待を受けている。イスラム氏はそのうえで、適切な職場環境を確保するよう呼びかけた。

1976年以降、1300万人以上のバングラデシュ人労働者が海外で働いてきた。BMETのデータによると、そのほとんどが中東の国々である。

海外労働者は、経済専門用語でいう「送金」を年間150~160億ドル(1兆6882億~1兆8007億円)行う。バングラデシュでは送金が、繊維産業に次ぐ第2の外貨獲得源となっている。

Bangladesh News/Financial Express Oct 10 2021
https://thefinancialexpress.com.bd/trade/bangladeshs-manpower-export-rebounds-as-300000-go-abroad-1633747852
翻訳編集:吉本

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