1人当たりのGDPインド上回る

1人当たりのGDPインド上回る

【The Daily Star】バングラデシュの1人当たりの国内総生産(GDP)は、送金や輸出、農業活動の活性化により、2026年までの5年間、インドを上回ると予測された。

南アジア第2位の経済大国バングラデシュは、過去15年間、年率6%以上の経済成長を遂げてきたことで、2020年に3550億ドル(40兆3049億円)、国民1人当たりのGDPは1961ドル(22万2642円)となり初めてインドを抜いた。

バングラデシュは、ほとんどの国が経済縮小したコロナパンデミックでも成長を遂げた。

アジアの主要経済大国の1つであるインドは、経済危機の影響を大きく受け、2020年の経済生産高は2兆6600億ドル(302兆31億円)に減少した。国際通貨基金(IMF)のデータベース「世界経済展望(World Economic Outlook)」によると、国民1人当たりのGDPは2019年の2098ドル(23万8196円)から1929ドル(21万9009円)に減少した。

昨年IMFは、インドの国民1人当たりGDPは2021年に2030ドル(23万476円)に成長する可能性が高く、バングラデシュは5.4%増の1990ドル(22万5935円)になると予測した。つまり、上回るのは一過性に過ぎないとしていた。

だがIMFは12日、バングラデシュの2021年の1人当たりのGDPは2138ドル(24万2738円)、インドは2116ドル(24万240円)になると予測。バングラデシュは今後5年間、インドを上回り続けるとの予測を示した。

IMFによると、インド経済は2021年に9%回復したが、この成長ではバングラデシュを上回ることはないという。

一方、安定した経済成長に支えられたバングラデシュは、2026年には1人当たりのGDPが3253ドル(36万9329円)となり、インドの3018ドル(34万2649円)より8%高くなると予測した。

5年後、国全体のGDPはバングラデシュは5650億ドル(64兆1473億円)、インドは4兆3930億ドル(498兆7593億円)となるとした。

「バングラデシュが1人当たりの所得指標でインドに追いついてきていることは良いニュースです。これは、平時におけるバングラデシュ経済のダイナミズムと、危機における回復力を示しています」
世界銀行ダッカ事務所の元上級エコノミスト、ザヒド・フセイン氏は述べた。

だが、これでバングラデシュがインドよりも豊かになったとするには慎重になる必要があるという。

「IMFレポートで報告されているように、現在の米ドルで1人当たりのGDPを比較すれば答えはイエスです。ですが、各国通貨の購買力の違いを調整した米ドルでの1人当たりの名目GDPを比較した場合、結論は大きく異なります」

購買力平価(PPP)ベースのGDPは、名目GDPをPPP為替レートで割って算出する。PPP為替レートは、米ドルに対する自国通貨の購買力を反映している。

バングラデシュの2021年の1ドル当たりのPPP為替レートは、インドの22ルピー(33.18円)に対し、33タカ(43.87円)となっている。つまり、1ドル紙幣を買うために、バングラデシュでは33タカが必要だ。

インドでは22ルピーで買うことができる。このように、インドルピーの購買力は、バングラデシュタカの購買力よりも33%高い。

IMFの報告書を引用したフセイン氏は、PPP為替レートに基づくと、2021年のインドの1人当たりGDPは7319ドル(83万1050円)で、バングラデシュの5733ドル(65万965円)よりも27%高いとした。

2026年にはPPPドルでのインドの1人当たりのGDPは1万866ドル(123万3802円)、バングラデシュは8859ドル(100万5913円)に上昇すると予測。平均すると、インドの1人当たりの所得はバングラデシュよりも22.6%高くなるが、その差は縮まるとした。

「ですからバングラデシュが追いついてきているという一般的な結論は変わりません。ただ、バングラデシュが1人当たりのGDPでインドを超えたか、今後も超え続けるかについては、両国通貨の購買力の違いを考慮して、1人当たりの名目GDPを米ドルで調整するかどうかに左右されます」

バングラデシュ開発研究所(BIDS)元調査理事のザイド・バクト氏は、パンデミックにもかかわらず、農業、送金、輸出などの実業部門が好調だったため、バングラデシュ経済は成長したと述べた。

一方、人口増加率は低いままなので、1人当たりのGDPは増加しているという。

「今後5~6年の間に巨大な公共インフラプロジェクトが稼動すると、経済に大きな影響を与えることになるでしょう」
バクト氏は述べた。

「コロナパンデミックでインド経済は不況に見舞われましたが、バングラデシュは2カ月のシャットダウン後、経済活動を再開することができました。そのため、経済への打撃は恐れられたほどではありませんでした。だから、IMFの予測は現実的だと思われます」
BIDSのビナヤク・セン事務局長は述べた。

Bangladesh News/The Daily Star Oct 14 2021
https://www.thedailystar.net/business/economy/industries/news/bangladesh-keeps-outrunning-india-capita-gdp-race-2197991
翻訳編集:吉本

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