送金18カ月ぶりの低水準

送金18カ月ぶりの低水準

【The Daily Star】11月のバングラデシュへの送金額は大幅に減少した。これは、在外バングラデシュ人居住者が依然として非公式な送金手段を好んでいるからだ。

バングラデシュ銀行(BB)のデータによると、11月の在外バングラデシュ人からの送金額は15億5千万ドル(1752.3億円)で、前月比で5.48%、前年同月比では25%減少した。

これは、18億3000万ドル(2068.9億円)だった2020年6月以降、最も低い送金額となる。20年6月から今年10月まで毎月の送金額は、18.3億ドルから16.4億ドル(1854.1億円)の間で推移していた。

公的な移動制限が取り払われたことで、違法な越境金融システムを運営する世界的なフンディ・カルテルが再び活発化している。

BB関係者によると、非公式ルートは2020年の第1四半期、新型コロナにより国際的な移動が停止し、銀行やその他の公式ルートを使った送金の利用が進んだため、大きな混乱に見舞われていた。

今回は増加したが、新たな変異株による移動の制限で、再び混乱に見舞われる可能性がある。

バングラデシュの外貨準備高の増加に大きな役割を果たしている送金は、今年度1~5月期には前年同期比21%減の86億ドル(9722.6億円)だった。そのため、8月に480億ドル(5兆4266億円)を突破した外貨準備高はその後減少傾向が続き、11月24日の外貨準備高は前年同期比9%増の444億4000万ドル(5兆241億円)に留まった。

投資信託銀行のサイエド・マウブーブル・ラマン社長は、パンデミックがピークに達した昨年の送金額の増加は異常だったと述べている。

2020-21会計年度の送金額は前年比36%増となり、過去30年間で最も急激な増加となった。前2019-20年度は182億ドル(2兆576億円)だったのに対し、同年の送金額は248億ドル(2兆8037億円)だった。

景気減速の中で多くのバングラデシュ人出稼ぎ労働者が職を失い、それが送金に悪影響を与えた。今年の1~9月期、約38万人が仕事のために海外渡航したが、昨年は22万人に過ぎなかった。

ある銀行の幹部は匿名を条件に、フンディ・カルテルは送金受益者に、銀行が提示するレートよりも3~4タカ(4~5.3円)高いレートを提示するようになったと述べた。

そのため、送金者はインフォーマルルートで送金するようになったとし、BBはフンディ・カルテルを弱めるために、現地通貨の対米ドルレートをある程度下げることを検討すべきだとした。

ダッチ・バングラ銀行のアブル・カシェムMdシリン常務は、最近人々が海外旅行に出かけるようになり、インフォーマルなチャネルでの取引がスムーズに行われるようになったとしたうえで、労働力輸出を強化して、流入量を増やすべきだと述べた。

Bangladesh News/The Daily Star Dec 2 2021
https://www.thedailystar.net/business/economy/news/remittance-slides-18-month-low-2907756
翻訳編集:吉本

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