製紙産業の可能性

製紙産業の可能性

【Financial Express】国内製紙業界は先進国へ輸出を行っているが、その眠っている生産能力の半分以上を活用して世界貿易へ注力すれば、輸出を拡大できる大きな可能性を秘めている。

製紙業界は高品質の紙を作るために最新技術を積極的に導入した結果、国内生産量が徐々に増加、国営工場から民間企業へ移行している。現在、国内で登録された105カ所の製紙工場のうち、約70カ所は民間企業だ。

紙製品には紙・印刷用紙、オフセット紙、新聞用紙、ティッシュ、包装紙などがあるが、一部の工場では、国内外のニーズに対応するために、新しい種類の紙製品の生産能力を高めている。

バングラデシュ製紙会社協会(BPMA)のデータによると、国内の紙市場規模は約500億タカ(666.3億円)で、最近の年間成長率は5.0%を超えている。

一方、年間150万トンの生産能力があるにもかかわらず、国内紙製品の需要は約60万トンで、約30万トンが輸入されている。

BPMAのAKMナシュシェルル・アラム事務局長によると、バングラデシュにおける民間製紙会社の歩みは、30年ほど前、国内での紙製品の需要の高まりを背景に始まった。

「紙や紙製品は、バングラデシュに新たな可能性をもたらします。というのも、中国などの国では、生産コストの上昇や環境への配慮から、こうした産業を他国へ移行しつつあるからです」

だが、輸出品目の中で製紙・紙製品の占める割合を拡大するには、生産コストの上昇が重要な課題の1つだとした。そのうえで、バングラデシュは現在、米国を含む50カ国以上に紙・紙製品を輸出していると述べた。

輸出促進局(EPB)のデータによると、輸出業者には10%のキャッシュインセンティブが与えられていることもあり、現会計年度7~11月までの輸出額は2739万ドル(31億1548万円)で、前年同期比15.3%増となっている。

国際的シンクタンクであるフォーチュン・ビジネス・インサイツ社は、世界の紙・パルプ市場は2021年の3515.1億ドル(39兆9825億円)から2028年には3701.2億ドル(42兆993億円)へと、年率0.74%で成長すると予測している。また、世界の1人当たりの年間紙消費量は約55キログラムとした。

アジア製紙工場のアブドゥル・ジャバー・カーン社長は、紙製品の形態が変化しても需要は引き続き増加すると予測する。

「包装紙市場は、バングラデシュだけでなく世界中で急速に成長しており、国内の製紙会社にとって大きな可能性を秘めています」
カーン氏は国内の潜在的な生産・販売能力の活用が急務だと強調した。

「生活用品や消費財など、ほとんどの商品で包装紙が必要とされており、紙製品の需要が生まれています」
100トンの紙を生産できる機械を導入して工場リニューアルする予定のカーン氏は述べた。

業界関係者によると、オフィスや大学での印刷やコピーには膨大な量のコピー用紙やオフセット紙が使われ、その市場規模は年間60億タカ(80億円)に上るという。だが、コロナパンデミックの影響で、ロックダウンや制限が行われたため、成長していた需要は減少した。

「教育機関が本格的に稼動していないため、需要はまだパンデミック前の状況に戻っていません」
ペーパーテック産業のMdカムルッザマン総務部長はいう。

カムルッザマン氏は国内製品の品質が消費者に受け入れられていることを強調しながら、一部の政府機関は未だに輸入紙に依存し、それが国内メーカーにとっての課題だと述べた。

多くの政府機関では調達文書の中で2つの外国ブランドを明記し、同等の国内ブランド枠が省かれているため、国内製紙産業は入札に参加できないという。

「私たちも参加できるように、同等の基準を示すことができるはずです」
カムルッザマン氏はビショオ・シャヒット・ケンドラ(Bishwo Shahitto Kendra)のような多くの有名組織が、印刷目的で国内ブランド紙を使用していると述べた。

国内の大手製紙会社には、ボシュンドラ、メグナ、アムバー、ペーパーテック、ショナリ、マグラなどがある。製紙産業にはこれまで約7千億タカ(9328.5億円)が投資された。

Bangladesh News/Financial Express Dec 8 2021
https://thefinancialexpress.com.bd/trade/bangladeshs-paper-industry-holds-huge-export-potential-1638932197
翻訳編集:吉本

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