成人の半数は銀行口座なし

成人の半数は銀行口座なし

【The Daily Star】バングラデシュでは成人人口の約半数が銀行口座を持たず、金融包摂の面で大きく遅れをとっている。

2025年までに金融包摂率を100%にするという目標を達成するため、政府は今後4年間で1800万人近くの成人を、少なくとも1つの規制された金融サービス口座に引き入れる必要がある。

政策研究所(PRI)のバズルルHコンドカル理事は、この曲線は急勾配のように見えると表現した。

コンドカル氏は世界銀行のデータを引用しながら、2017年までは成人人口の50%がカバーされていたが、現在はせいぜい60%にとどまり、アジア平均に遅れをとっているとした。

また、エコノミスト・インテリジェンス・ユニットのグローバル・マイクロスコープ・ファイナンス・レポート2020によると、バングラデシュは金融包摂全体において55カ国中44位だと述べた。

金融包摂は貧困を緩和するために非常に重要なため、貧困層や女性をデジタル金融サービスに取り込むべきだとするコンドカル氏は、金融包摂を進めるためには政府の政策的支援とともに、関連するインフラ整備を行うことを提案した。

コンドカル氏は、PRIとエコノミック・リポーターズ・フォーラム(ERF)が共同開催したプログラムで、「国家金融包摂戦略:主要な問題と実施」と題したプレゼンテーションを行った。

「人々は自分の口座にお金を貯めていません。口座で貯金している人はわずか18%です」
バングラデシュ銀行(BB)デブドゥラル・ロイ執行役員は、もし人々がお金を貯めれば銀行口座にお金を預けるようになり、金融包摂が進むだろうと述べた。

ロイ氏は出張所やエージェント・バンキング、モバイル金融サービス(MFS)の数を増やすことを強調し、デジタル金融システムに人工知能が導入されるため、来るべき第4次産業革命の課題に不安を抱いてはいけないとした。

また、政府関係者は通常、規制や規則の枠組みの中で仕事をしており、イノベーションにつながるような既成概念にとらわれない発想はないと述べた。

プログラムの司会はERFのSMラヒドゥル・イスラム事務局長が務め、PRIのオーサンHマンスール事務局長とアブドゥル・ラザック調査ディレクターも基調講演を行った。

マンスール氏は、パンデミックの際、取引の継続を可能にしたMFSは非常に有効だったとし、困難な状況にあるとき、デジタル・サービスは遠く離れた友人や親戚からお金を集めることを容易にし、金融リスクを管理することに役立ったと述べた。

また、金融包摂が進んでいないため、首相は5千万人に現金支援を提供できていないとし、適切なデータベースがないため、人々をこのサービスの対象にすることができなかったと述べた。

モバイル金融サービスの拡大のために政策的支援が不足しているとしたマンスール氏は、MFSを通じて送金や買い物、病院代、電気・ガス代など、あらゆる政府サービスの請求、海外からの送金などができるようになったと評価した。

また、政府の政策的支援があれば、モバイル金融を通じてマイクロクレジット活動も始められるとし、bKashやCity Bankはすでに小口融資を行っているとした。

さらに、バングラデシュでは2018年12月から2021年5月にかけてインターネットバンキングの顧客が81%増加し、現在では約16社がモバイル金融サービス、21銀行がエージェント・バンキングを提供していると述べた。

アブドゥル・ラザック氏は、「個人レベルでの政府の支出を通じた社会的・金融的包摂」と題したプレゼンテーションで、政府は今年の予算を通じて社会保障に2800億タカ(3735.9億円)を支出するとしたうえで、この資金が銀行チャネルを通じて分配されれば金融包摂が進むだろうと述べた。

Bangladesh News/The Daily Star Dec 29 2021
https://www.thedailystar.net/business/economy/news/half-adult-population-still-unbanked-2927856
翻訳編集:吉本

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