バングラデシュと電力

バングラデシュと電力

【Financial Express】バングラデシュは成長と貧困削減において素晴らしい実績を上げている。人口ボーナスや力強い衣料品(RMG)輸出、安定したマクロ経済条件に支えられ、過去10年間、世界で最も急速に成長した経済国のひとつだ。

「バングラデシュに関する世界銀行の最新レビューによると、輸出と消費の継続的な回復により、2022年度の成長率は6.4%に回復する」と、12日に発表されたバングラデシュ国際商業会議所(ICCB)のニュース速報(2021年10-12月号)の社説は述べている。

バングラデシュは1971年に独立した最貧国の1つで、1人当たりのGDPは世界で10番目に低い国だが、2015年に低中所得国の地位に到達した。2021年11月24日に開催された第76回国連の第40回総会では、バングラデシュが2026年に正式に開発途上国になるとの決議が採択された。

どの国でも経済発展の裏には、電力の十分な供給が重要な課題となる。ダッカの電化は1901年で、ニューヨークの19年後、ロンドンの13年後に過ぎない。1948年当時はダッカ(Dhaka)、チャットグラム(Chattogram)、クルナ(Khulna)を中心に電気を供給していた蒸気タービンはわずか数台だった。1962年には40MWの小さなカプタイ水力発電所が設置され、ダッカとチッタゴン間に132kVの送電線が敷設された。

バングラデシュが独立した1971年、電気を利用できたのは人口のわずか3.0%に過ぎなかった。だが、現在では2万3千MW以上の発電設備があり、100%の普及率を誇る。バングラデシュ電力開発局(BPDB)によると、余剰発電量は約8千MWとなっているという。

この10年のバングラデシュのGDP成長率は6.5%(2010年)から8.2%(2019年)へと成長した。2010年当時、公共事業として生産される電力は約3500MWだった。2010年4月にダッカで開催された「成長のためのエネルギーに関するICCB会議」に出席した15カ国の専門家は、フィデル・ラモス大統領時代のフィリピンの成功を引き合いに、入札なしで民間に電力産業を開放することを提案した。政府はこの提案に従った結果、現在では余剰発電能力を持つに至った。

現在、バングラデシュのエネルギー資源は天然ガス、石炭、輸入石油、LPG、輸入LNG、輸入電力、水力発電がある。一次エネルギーの約27%をバイオマスが占め、残りの73%は商業エネルギーでまかなっている。商業エネルギーは天然ガスが約62%(うち輸入LNG8%)、残りの大半は輸入石油が占める。

最近の世界情勢を見ると、LNGや石炭の供給が不安定になるだけでなく、石炭やガスを使った発電が高価になってきている。

一方、ここ数年、バングラデシュの発電量は飛躍的に伸びているが、送電線の弱さによる供給停止の頻発に多くの地域の消費者から不満の声が上がっている。これはBPDBの数字にも表れており、国内の送電容量は昨年の1万2888kmからわずか104km増の1万2996kmにとどまっている。今後8カ月以内に1320MWのランパル(Rampal)、1200MWのマタルバリ(Matarbari)、2400MWのループプール(Rooppur)発電所が発電を開始すると、状況はさらに悪化するだろう。

また、高い系統損失、新規発電所の完成の遅れ、発電所の低効率、不安定な電力供給、電力盗難、発電所メンテナンスのための資金不足の解決に注意を払う必要がある。

現在、バングラデシュのGDPは4550億ドル(52兆1066億円)だが、1971年当時は62億ドル(7100億円)に過ぎなかった。一方、2022-23会計年度のGDPは5100億ドル(58兆4052億円)になると予想されている。 専門家は、バングラデシュが7.0%以上の経済成長を維持するには、2030年までに推定3万4千MWの電力が必要になると分析する。

そのため専門家は、陸上や海上のガスや石油の探査と、送電・配電分野の改善を最優先することを提案している。

Bangladesh News/Financial Express Jan 13 2022
https://thefinancialexpress.com.bd/economy/energy-vital-utility-for-economic-development-and-achieving-sdgs-1641984515
翻訳編集:吉本

#バングラデシュ #ニュース #電力 #GDP #発電 #送電線 #エネルギー