インフレは新貧困層生み出す

インフレは新貧困層生み出す

【The Daily Star】バングラデシュでは経済が再開したにも関わらず、1月から5月にインフレ率が上昇したことで、「新たな貧困層」の数が減っていないことが最新調査で明らかになった。

「インフレ、課題への対処と回復」と題した報告書によると、5月末現在、「新たな貧困層」数は人口の18.54%に当たる3090万人にも上るという。

報告書をブラック・ガバナンス開発研究所 (BIGD)と共同で作成した権利と参加研究センター(PPRC)のホサイン・ジルルル・ラーマン所長は、「大きな貧困負担」だと述べた。

パンデミック発生以来5回目となる調査は、5月12日から23日にかけて、農村部と都市部のスラム3910世帯を対象に行われた。

パンデミック前は117タカ(168.4円)だった調査対象世帯の1人当たりの日収は、昨年8月の2回目のシャットダウン中に83タカ(119.5円)に減少した。今年1月に105タカ(151.1円)まで上昇したが、5月はインフレのため再び99タカ(142.5円)へ減少した。

調査では、非貧困層と脆弱な非貧困層の所得は貧困層と比較してかなり急激に減少、特に脆弱な非貧困層の回復はよりゆっくりだということが明らかになった。

4月のインフレ率は18カ月ぶりの高水準となる6.29%だった。

物価上昇のため、調査対象世帯のほとんどは、2月以降、魚、肉、牛乳、果物などの主要な食料品の消費を大幅に減らしたり、止めたりしていた。

5月時点で、都市部のスラム5世帯のうち1世帯が、お金がないために少なくとも1食を抜かなければならなかったという。

調査によると、38%の世帯がお金を借りる必要があったのにすでにある多額の借金を返済できないという理由で、借りることができなかった。

また、2月以降、3分の2の世帯が医療費や子どもの教育費など、非食料品支出を減らした。さらに、物価上昇に対処するため、より少ない、より低品質の商品を購入するようになった。

また、2月以降、38%の世帯が、国有バングラデシュ通商組合(TCB)の食料トラックから必需品を購入していた。

さらに、半数以上の世帯が価格高騰はガバナンスの問題であり、政府がシンジケートや腐敗した企業を罰することを望んでいることも明らかになった。

ラーマン氏は、価格上昇を抑えるには社会的保護プログラムの規模を拡大し、市場管理に焦点を当てた統治改革を行うべきだと述べた。

BIGDのイムラン・マティン所長は、この時期、インフォーマルセクターと貧困層に対する政府の対応は非常に重要で、彼らの消費能力と生産能力の両方を保護する必要があるとした。

Bangladesh News/The Daily Star Jun 6 2022
https://www.thedailystar.net/news/bangladesh/news/inflation-creating-new-poor-again-3040276
翻訳編集:吉本

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