5カ年計画の新たな課題

5カ年計画の新たな課題

【The Daily Star】第8次5カ年計画期間中のバングラデシュは、コロナパンデミックや後発開発途上国(LDC)からの卒業、気候変動に関する課題、持続可能な開発目標(SDG’s)に立ちはだかる障害に対処する必要がある。

「このほか、ロシア・ウクライナ戦争、燃料価格の上昇、サプライチェーンの混乱、通貨安なども、政府が直面する大きな課題です」
バングラデシュ公認会計士協会(ICAB)のシュバシシュ・ボース氏CEOは、ICABで開催された第8次5カ年計画に関する円卓会議で述べた。

2021年から2025年まで実施される第8次5カ年計画は、8.51%の経済成長達成や、貧困率を15.6%に削減することなどが主要目標となっている。

ボ―ス氏は、外貨準備高や輸入の急増、輸出開発、送金、インフレ、経済成長、税対GDP比、外国直接投資(FDI)、人材開発などの問題にも取り組む必要があるとした。

バングラデシュ銀行(BB)前総裁のアティウル・ラーマン氏は、農業の繁栄を助けるために政府がここ10年間に行った政策には、3つの主要な要因が含まれていると述べた。

すなわち、国内外で農産物販売を促進することで農家の所得向上と若者の雇用創出を行うこと、農家の生産性を上げること、価値の高い作物に変換していくことだ。

「この政策は第8次5カ年計画でも継続されており、パンデミックや戦争の影響から経済を回復させるのに役立つでしょう。この勢いを持続させなければなりません。だから、この計画の実行がこれまで以上に重要になってくるのです」

ラーマン氏は、国内では食糧危機は起きないかもしれないが、食糧価格の高騰は課題となる可能性があるとした。そのため、水田灌漑に使われる重油に対する補助金を増やし、農家に適正価格で供給するよう政府に要請した。

国家歳入庁(NBR)前議長のムハンマド・アブドゥル・マジッド氏は、目標を達成するために計画を適切に実行するよう呼びかけた。

マジッド氏は、税金網を広げると同時に、税金が適切に使われ、納税者が自分たちの貢献の恩恵を実感できるようにしなければならないという。

「そうすれば、国民はもっと税金を払うようになるでしょう」

また、政府がNBRに徴税目標を設定することを認めるよう提案し、NBRが提供するサービスを自動化するために取られているプロジェクトの実施を早めるよう提言した。

バングラデシュ政策研究所のザイディ・サッター会長は、バングラデシュの平均関税率は他の国々と比較して高いとし、下げなければならないと述べた。

「私たちは輸出や市場の多様化についてばかり話しています。しかし、経済全体の多様化が必要です」
バングラデシュ政策エクスチェンジのMマスルール・レアズ会長は、政府は民間投資を促進し、FDIを誘致する方法を探るべきだとした。

計画担当国務相のシャムスル・アラム教授は、貧困率を望ましいレベルまで下げるには予想以上に時間がかかるかもしれないと述べた。

昨会計年度の平均インフレ率は6.15%で、目標の5.7%を上回っているからだ。一方、政府は2025年に4.6%まで下げる目標を掲げている。

「私たちはインフレ管理に最も注意を払っています」

アラム氏はまた、LDCグループからの卒業に伴い、政府は所得税の引き上げと免税措置の段階的廃止に留意する必要があると述べた。

バングラデシュ貿易関税委員会元委員のムスタファ・アビド・カーン氏は、2026年にバングラデシュが発展途上国となれば、政府から現在享受しているような便宜は受けられなくなるという経済界の意識改革が必要だと述べた。

民間シンクタンクBusiness Initiative Leading Developmentのフェルダウス・アラ・ベガムCEOは、適切なデータ管理を強調、特許や税金の分野では新たな政策や規制が必要になるとした。

ICABのシャハダト・ホサイン会長も発言した。

Bangladesh News/The Daily Star Sep 15 2022
https://www.thedailystar.net/business/economy/news/new-challenges-facing-five-year-plan-3119756
翻訳編集:吉本

#バングラデシュ #ニュース #第8次5カ年計画 #後発開発途上国 #LDC #SDG’s #経済成長 #貧困率 #インフレ