IT輸出5億ドル超え

IT輸出5億ドル超え

【The Daily Star】前2021-22会計年度(21年7月~22年6月)、バングラデシュのIT(情報技術)輸出は5億ドル(743.1億円)を突破した。

輸出振興局(EPB)によると、前会計年度、国内IT企業の輸出収益は前年比95%増、5億9206万ドル(880億円)に跳ね上がった。

「輸出の伸びを支えたのは、ビジネス・プロセス・アウトソーシング(BPO:外部委託)部門です」
バングラデシュ・コンタクトセンター&外部委託協会(BACCO)のワヒド・シャリフ会長は述べた。

BPOにはカスタマーサービス、バックオフィス業務、画像処理、グラフィックデザイン、アニメーション、データ入力、会計・法務プロセス、データ分析などがある。

BPOとIT関連サービスのほとんどをカバーするコンピュータ・データ処理およびホスティング・サービスの輸出は106%増、4億8440万ドル(720億円)だった。

業界関係者によると、昨年半ば以降、コロナ状況の改善で世界中のビジネスが回復してきたため、驚異的な伸びを示したという。

「世界的な経済活動の復活により、協会に所属する企業やフリーランサーはより多くの注文を集めることができました」
シャリフ氏は述べた。

EPBによると、前会計年度、ITコンサルタント・サービスは一昨年度2967万ドル(44.1億円)から3800万ドル(56.5億円)に、ソフトウェア輸出は5100万ドル(75.8億円)から6000万ドル(89.2億円)に増加した。

国内トップソフトウェア輸出企業の1つBrain Station23の輸出収益は、前会計年度40~50%増加した。

「注文が殺到しています」
同社のライスル・カビール最高経営責任者はこの1年間で200人以上を雇用し、従業員総数を670人にまで増やした。

決済ゲートウェイソフトウェア、ウェブアプリケーション、モバイルアプリケーションといった従来のソフトウェアとは別に、データサイエンス関連の仕事の需要が非常に高まっているという。

「機械学習を含む第4次産業革命中心の課題を推進する製品やサービスにも大きな需要があります」
カビール氏は、コンピュータや周辺機器の設置、メンテナンス、修理の輸出受取額は、2021-2022年に約65%増加し、993万ドル(14.8億円)になったと述べた。

「これは間違いなく我々の業界にとって良い兆候であり、業界の能力を示しています」
輸出向けソフトウェア企業Dream71Bangladeshのラシャド・カビール氏は、世界的なインフレの高まりにより、多くのIT企業、特にヨーロッパ企業はコストを削減するため、アジア諸国からサービスを輸入しているとした。

9月の消費者物価は、米国で8.2%、ユーロ圏で10%上昇した。

驚異的な成長にもかかわらず、バングラデシュのIT輸出は他国に比べてはるかに低い水準にとどまっている。

The Economic Timesによると、例えば昨年度のインドのソフトウェア・サービスの輸出額は1560億ドル(23兆1858億円)だった。

通信、コンピュータ、情報サービス関連などを輸出するパキスタンでさえ、7ー3月期に29.26%増の19億4000万ドル(2883.4億円)に急増したとダウン紙が報じている。

一方、バングラデシュソフトウェア情報サービス協会(BASIS)の前会長サイード・アルマス・カビール氏は、IT部門からの実際の輸出収益は公式数字よりはるかに高いとし、推定13億ドル(1932億円)だと述べている。
「これは多くの企業やフリーランサーが、その全額を持ち込んでいないためです」

業界関係者は、インフォーマル市場ではタカに対してドルレートが高いため、多くの企業やフリーランサーは非公式ルートで輸出代金を得ていると主張する。

ロシアーウクライナ戦争で輸入代金が高騰し、米ドルが不足する中、この7カ月でタカは対米ドルで少なくとも20%値下がりしている。

アルマス氏は、IT分野での熟練労働者の不足も指摘する。

「60万人人以上のフリーランサーがいますが、価格の低い仕事をすることが多いので、時間当たりの収入は非常に低くなっています。しかし、ベトナムやインドのフリーランサーはその優れたスキルにより、バングラデシュの少なくとも3倍の収入を得ています。ITプロフェッショナルを育成すれば、より価値の高い仕事ができるようになります」

BACCOのシャリフ氏は、スキルギャップを埋めるには、カリキュラムの変更と、教育機関、政府、産業界の連携が必須だという。

「特にこの2年間はプログラマが不足しています。ソフトウェアの需要が増えているため、プログラマの需要も増えているのです」
Dream71Bangladeshのラシャド氏は、十分な数の熟練プログラマを育成できなければ輸出の可能性を失ってしまうかもしれないと述べた。

バングラデシュには約60万人のフリーランサーが存在し、25万人以上がIT企業や企業、金融機関、政府機関のIT部門に雇用されている。

Brain Station23ライスル氏は、現会計年度は前会計年度より成長が鈍化すると予測し、今後数カ月は厳しい状況が続くために高成長は続かないが、ソフトウェアの輸出受注は減らないだろうと述べた。

BACCOのシャリフ氏は、世界経済が良い状態ではないので先行きは少し不透明だと述べた。

Bangladesh News/The Daily Star Oct 16 2022
https://www.thedailystar.net/business/economy/news/it-exports-cross-half-billion-dollar-mark-3143696
翻訳編集:吉本

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