30%が食糧不足に直面

30%が食糧不足に直面

【The Daily Star】世界銀行(WB)の調査によると、バングラデシュではコロナパンデミックショックによる経済は回復したものの、約30%の人々が食糧不足に直面している。

調査によると、空腹のまま眠りにつく人は、昨年6月の7%から今年5月の13%へとほぼ倍増した。

26日、バングラデシュ開発研究所(BIDS)がダッカで開催したセミナーで、WBのアヤゴ・ウェンブリー上級エコノミストが調査結果を発表した。

昨年6月は5%だった食料を買えないと答えた人は、今年5月の調査では6%となった。また、24時間以内に食事をしなかった人は、昨年6月の1%から今年5月に2%へと増加した。

だが、少ししか食べられないという人は、昨年6月の17%から今年5月の9%へと大幅に減少した。

「価格上昇は、食料安全保障の重要な課題であり、障害であると報告されています」
ウェンブリー氏は、食糧不安は最貧困地域の国々など、最も食糧不安のある地域の脆弱性を高めていると指摘した。

一方、バングラデシュの人口の70%に対する食料安全保障は、2021年6月から変わっていないとした。

「バングラデシュ経済はコロナパンデミック発生以降の2年間でV字回復を見せましたが、あらゆる階層の人が回復の果実を得たわけではなく、不均等でした」
別のWB上級エコノミスト、セイレシュ・ティワリ氏は、V字回復とは急激な落ち込み後、経済が素早く急激に改善することだとした。

「バングラデシュにおける新型コロナの影響の追跡:高頻度電話調査」と題されたこの調査は、2020年6月から2022年5月にかけて、10回に分けて実施された。ダッカ(Dhaka)やチャトグラム(Chattogram) 、コックスバザール(Cox’s Bazar)の都市部やスラム街の1300~7700人が対象となった。

調査によると、2020年6月のパンデミック発生で緊急援助された2万5千タカ(3万6249円)を31%の人はすぐに入手できなかった。だが、今年5月時点でその数は4%に減少した。

BIDSのビナヤク・セン事務局長は、危急の際に現金を得ることは多くの国民にとって困難さが伴うとした。

「先進国では、国が人々への現金援助を保証しています」
ビナヤク氏は「バングラデシュにおけるコロナパンデミックの社会経済的影響と政策対応:未来への教訓」と題するセミナーで述べた。

また、WBの調査結果に言及。国の経済はロックダウン中に停滞したと述べ、その後徐々に回復したものの、誰もが等しくその恩恵を享受できたわけではないとした。

ウェンブリー氏は発表の中で、2020年6月にはスラム地域の55%が家賃を払えなくなったが、今年5月にはその数が25%まで減少したと述べた。

また、2020年6月時点でスラム地域の22%が家の所有者による立ち退きを恐れていたが、今年5月にはその数が14%に減少したと述べた。そのうえでバングラデシュ政府に対し、自然災害や経済・健康関連のショックに備えるよう呼びかけ、貧困層のための社会的セーフティネットを拡大・強化すべきだとした。

Bangladesh News/The Daily Star Oct 27 2022
https://www.thedailystar.net/news/bangladesh/news/30pc-people-facing-food-scarcity-3153091
翻訳編集:吉本

#バングラデシュ #ニュース #WB #コロナパンデミック #食糧安全保障 #開発研究所 #スラム #脆弱性 #セーフティーネット