FDI 37%増加

FDI 37%増加

【The Daily Star】昨会計年度(FY22)のバングラデシュへの純外国直接投資(FDI)は前年度比37%増の34億3千万ドル(5017億円)で、為替の変動が続く中、経済にとって明るい展開となった。

バングラデシュは、輸入代金の増加や、輸出や送金の受取額が予想を下回ることによる外貨準備高の減少に悩まされている。

純FDI流入額は、非居住者投資家による対内直接投資額で、再投資収益や企業内融資を含む。ただし、資本の本国送還や貸付金の返済による国外流出分は除く。

バングラデシュ銀行(BB)のデータによると、6月30日に終了したFY22において、新規投資(自己資本)は前年度比65%増の13億5000万ドル(1975億円)に急増した。

通常、外国人投資家が新工場を設立したり、既存の工場を拡張したことを示すため、自己資本の注入はFDI流入の最も重要な構成要素と考えられている。

「FDIの純流入と自己資本の増加は、確かに経済にとって好ましい指標です」
政策対話センター(CPD)の著名研究者ムスタフィズル・ラーマン氏は述べ、経済特区での投資が増加し、全体としてFDIの流入を押し上げたのではないかとの見解を示した。

少なくとも29カ所の産業ユニットが複数の経済特区で生産を開始、さらに61ユニットが生産開始予定だ。投資家は、日本や中国、インド、オーストラリア、オランダ、米国、英国、ドイツ、シンガポール、韓国、ノルウェーなどの国から集まっている。

政府は全国に100カ所の経済特区を設置する計画だ。

「経済のためにFDIの流れを維持すべきです。今年度も増加傾向が続けば、外貨準備高も大きく増加するでしょう」
ラーマン氏は述べた。

外国人投資家が既存の事業からの収益を利用して事業を拡大しようと意欲を示した再投資は、前年比29%増の20億4000万ドル(2984億円)だった。

一方、FY21は1億500万ドル(154億円)だった企業内融資は、FY22に4800万ドル(70億円)に落ち込んだ。

ラーマン氏は、お役所仕事は依然として望ましいレベルのFDIを引き出すための大きな障壁であるとしたうえで、政策立案者は、外国企業の誘致に極めて重要な役割を果たすビジネスのしやすさを改善すべきだと述べた。

BB関係者は、外国為替制度が不安定のため、進行中のFY23会計年度において、FDI流入の増加傾向を維持することは難しいかもしれないと述べた。

26日の外貨準備高は358億5000万ドル(5兆2440億円)で、前年度より23%減少した。

外国企業は通常、投資を決定する前にその国の外貨準備高に注目する。

「政府も中央銀行も外貨準備の強化に努めるべきです」
BB関係者は述べた。

バングラデシュ開発研究所(BIDS)のモンズル・ホサイン調査部長は、FDIの増加を受けて自己満足に浸っている場合ではないという。

「外国企業が安心して投資できるような特定の分野はありません。通常、企業は臨機応変に投資します。そのため、バングラデシュはFDI環境を活気のあるものにするため、長い道のりを歩まなければならないのです」

金融部門の弱さはこの国のFDIの希望に対する挑戦である。この部門は汚職や縁故採用に直面している。

「これは投資家がこの国を投資拠点とすることを躊躇させるものです」
ホサイン氏は、税制も改革するべきだと主張する。

もう一つの障壁は株式市場にあり、投資家は証券取引所からほとんど資金を調達できない。

「これらの問題に対処できなければ、今後数年間、より高いレベルのFDIを誘致する余地はないでしょう」
ホサイン氏は述べた。

FY22、アパレル部門は前年度比81%増の11億6000万ドル(1697億円)を受け取り、最大のFDI受入先となった。

Bangladesh News/The Daily Star Oct 28 2022
https://www.thedailystar.net/business/economy/news/37pc-despite-economic-jitters-3154251
翻訳編集:吉本

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