成長見込める履物輸出

成長見込める履物輸出

【Financial Express】中国の合成繊維製品からハイテク産業への段階的な更新は、バングラデシュの履物産業に新たな輸出機会の窓を開き、収益を向上させることができると、業界関係者や専門家は述べている。

彼らはこの部門に必要な政策支援が提供されれば、衣料品と同じ一般消費財である履物の輸出収益は、今後数年で3倍に増加する可能性があると指摘した。

政策交換バングラデシュ(Policy Exchange Bangladesh)の調査結果によると、2021-22会計年度(FY22)に国内製造された合成皮革または非革靴の輸出収益は、スポーツシューズやスポーツ用具に後押しされて前年度比30%以上増の4億4915万ドル(668億円)となった。

輸出収益のうち、スポーツシューズは約2億ドル(297億円)で大部分を占めた。

スポーツシューズの約65%は欧州連合(EU)向けで、輸出先上位10カ国はフランス、インド、スペイン、ドイツ、オランダ、モロッコ、トルコ、ロシア、ポーランド、米国となっている。

輸出について、Maf Shoes社のシャハダト・ウラー専務は、合成繊維靴の最大輸出国である中国がハイテク産業に移行しているため、バングラデシュは輸出を増やす大きな可能性を秘めているとした。

また、合成繊維靴の最大消費国の一つインドは、調達先を中国からバングラデシュに変更するだろうとし、今はこのチャンスをつかむための準備時期だとした。

「バングラデシュは、この点に関して短期と長期の両方の政策支援を必要としています」
ウラー氏は、必要な政策支援が提供されれば、バングラデシュの履物輸出は1~2年以内に15億ドル(2231億円)に達する可能性があると述べた。

政策交換バングラデシュの会長兼CEOであるMマズルル・リアズ博士は、現在の輸出シナリオはアパレル部門への過度の依存とそれに伴うリスクを示しているとした。

昨年度の輸出収益520億8000万ドル(7兆7462億円)のうち、81.82%(426億1000万ドル:6兆3377億円)がアパレル輸出だった。

「特にLDC(後発開発途上国)卒業後、低労働コストの優位性や関税優遇が徐々に失われるなど世界市場の動向が変化する中、バングラデシュにとって多角化は不可欠なものとなりました」

リアズ氏は調査結果を引用し、アグリビジネス、デジタル経済、合成繊維靴や非革靴は、国内の輸出を多様化し、収益を増加させる大きな可能性を秘めていると述べた。

2018年の履物輸出は147億5000万足に達したが、バングラデシュの貢献度は世界の履物生産のわずか2%、世界第6位だとリアズ氏は指摘する。

だが、中国は人件費が高いことで合成繊維から付加価値の高い製品に移行し、また世界ブランドはサプライチェーンの多様化を目指しているため、バングラデシュに機会が生まれているという。

調査結果によれば、熟練労働者不足、不十分な訓練プログラム、機能しない一般的な排水処理プラント、貿易協定による市場へのアクセス、持続可能性とコンプライアンスに向けた世界的な推進の流れなどが、主な制約となっている。

また、認証取得にかかる高コスト、複雑な国境手続きによる高いリードタイム、安定した税制や投資計画のためのビジネス環境の欠如も成長阻害の要因のひとつと考えられている。

リアズ氏は、競争力の構築に向けて、合成繊維靴や化学品製造におけるジョイントベンチャーの促進、地域の製造工場への直接供給による後方連携の強化など、優先すべき政策を複数提言した。

Bangladesh News/Financial Express Oct 31 2022
https://thefinancialexpress.com.bd/trade/bangladesh-footwear-makers-hope-to-make-hay-1667184598
翻訳編集:吉本

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