気候変動で農地18%縮小か

気候変動で農地18%縮小か

【Financial Express】世界銀行(WB)は、2050年までに気候変動と異常気象により、バングラデシュの農業GDPの3分の1が失われる可能性があると報告した。

また、平均的な熱帯性サイクロンはバングラデシュに年間約10億ドル(1483億円)の損害を与え、2050年までに1300万人以上が国内移住する可能性があると述べた。

WBは31日、気候変動と開発を考察した最新診断報告書「バングラデシュの気候・開発レポート(CCDR)」を発表、対策を講じなければバングラデシュ南部の農地が18%縮小する可能性があるとした。

また、気候が農業や水不足、海面上昇などに影響を与え、今後30年間で1330万人が国内移住する可能性があり、女性への影響がより大きいと指摘した。

さらに、環境悪化や自然災害のコストは時間とともに上昇し、暑さや湿度の上昇、健康への影響も重なることが予測されるとし、深刻な洪水が発生した場合GDPは9%減少する可能性があると述べた。

WBの予測によると、バングラデシュは気候変動対策費として中期的に少なくともGDPの約3%に当たる125億ドル(1兆8534億円)を必要とする。

この対策費は、予算の優先順位付け、炭素税、外部資金、民間投資による追加資金で部分的にカバーすることができる。一方、気候変動と開発に関する差し迫った緊急課題に対処することが重要になるとした。

「バングラデシュは過去50年間でサイクロンによる死者数を100分の1に減らすなど、適応と災害リスク管理の分野で先導的な役割を担ってきました。他の国もここから学ぶことができます」
WB南アジア地域担当のマーティン・レイザー副総裁は述べた。

だが、気候変動リスクがますます高まる中、適応に向けたさらなる努力が不可欠であり、バングラデシュの未来に回復力を持たせるためには低炭素開発路線が重要だとした。

バングラデシュは2009年にいち早く「気候変動戦略・行動計画」を策定するなど、災害リスク管理における進んだ実践を行い、気候変動に脆弱な国々の代弁者となっている。

政府は気候変動関連災害に対するレジリエンスを強化するため、コミュニティ主導で積極的な政策と投資も実施してきた。

その結果、脆弱な海岸線6千キロメートル以上を保護する海岸堤防システムや、7万6千人以上のボランティアによるサイクロン早期警報システムなどが開発された。

だが、さらに多くのことを行う必要がある。

Bangladesh News/Financial Express Oct 31 2022
https://thefinancialexpress.com.bd/economy/bangladesh-could-lose-a-third-of-agricultural-gdp-due-to-climate-effects-by-2050-wb-1667205225
翻訳編集:吉本

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