マンゴーの長期収穫計画

マンゴーの長期収穫計画

【The Daily Star】マンゴーは北西部の県で早く熟すというのが一般的な常識だ。北部ヒマラヤ山脈の斜面はどの県よりも冬と夏の温度差が激しく、これがこの考えの元となっている。

だが、最新の研究調査で別の説が証明された。

クルナ、ラジシャヒ、ロングプール県で最も早い成熟速度が計測され、温度差が少ない海に近い丘陵地でマンゴーが早く熟すという研究結果が出たのだ。

一方、丘陵地帯の成熟速度に比べ、北部地方のどの品種のマンゴーも、少なくとも3週間は成熟に時間がかかることが明らかになった。

この研究は10月19日、スイスのMDPIサステナビリティ・ジャーナルに掲載された。

研究調査を行ったのは、カナダ・セントメリーズ大学のMdモニルッザマン氏とカーン・ルバェット・ラーマン氏、バングラデシュ農業研究所のMdソロフ・ウディン氏、クルナ工科大学のMdアブドゥラー・エリアス・アクター氏、インド工科大学(IIT)のアクシャー・トリパシ氏で、彼らが共同執筆した。

今回の発見は、マンゴーの栽培や収穫、生産、マーケティング、輸出に関する正確な計画とより良い管理の可能性を開くものだ。

また、需要の増加に対応するため、さまざまな品種のマンゴーの供給を増やすことにも役立つだろうと、著者らは述べた。

調査は国内のマンゴー生産県を4つのゾーンに分けた。
ゾーン1(チャットグラム、コックスバザール、ボンダルボン、カグラチョリ県)
ゾーン2(ジョショール、サトキラ、ジュナイダ、クスティア、チュアダンガ、クルナ県)
ゾーン3(ナトール、ラジシャチ、チャパイナワブガンジ県)
ゾーン4(ナオガオン、ロングプール、ディナジプール、タクルガオン、ポンチョゴル県)

2019年から2020年にかけ、衛星搭載のリモートセンシング技術を用いてデータを収集、果実の成熟度、収穫時期、マッピングの場所的差異の調査を行った。

調査では、土壌水分や降雨、気温の変化などの影響がある中、1度の緯度差でマンゴーの収穫が2~5日遅れる可能性があることが明らかになった。ゾーン4のマンゴー品種は、ゾーン1のマンゴー品種より成熟まで20~22日遅くなる。

過去の傾向を分析すると、全国各地のマンゴーが同時に市場に出回り、品質が劣化することが多い。収穫期が始まると、違法に熟成させたマンゴーを法執行官が何トンも処分している。

国内で最も早くから見られる品種「ゴビンダボゴ(Gobindabhog)」は、通常、カグラチョリ県とボンドルボン県で栽培されている。著者の1人Mdソロフ・ウディン氏は「この品種を北部で栽培すれば、簡単に供給を拡大することができる」とした。

また、ヒムサゴール(Himsagar)、キリサパット(Khirsapat)、ラングラ(Langra)など人気のあるマンゴー品種は2週間ほど収穫できるが、これらのマンゴーを計画的に異なる地域で栽培すれば、この収穫期を延長することができると、著者らは述べた。

バングラデシュは、米国、英国、オランダ、カナダ市場などにマンゴーを輸出するアジアの有力な生産地のひとつで、500種類以上の品種を生産している。

収穫期はバングラデシュ北西県の経済を支配、約85%がマンゴーに関連する仕事に従事する。

Bangladesh News/The Daily Star Nov 5 2022
https://www.thedailystar.net/news/bangladesh/news/the-hills-raise-mangoes-the-fastest-3160626
翻訳編集:吉本

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