携帯電話販売台数さらに減少

携帯電話販売台数さらに減少

【The Daily Star】消費者物価の上昇を背景に、バングラデシュの携帯電話製造業界ではここ8カ月、販売の減速が続いている。

他の多くの国と同様、ロシアーウクライナの戦争によって世界的な商品価格が高騰し、バングラデシュでもインフレ率は数カ月間高止まりするなど、生活危機が生じている。

外貨準備高が減少する中、国内通貨の米ドルに対する下落、原材料の信用状(LC)開設の混乱は、産業界に大打撃を与えた。

その結果、10月の携帯電話製造・組立台数は前月比1.25%減の219万9千台となったことが、バングラデシュ通信規制委員会(BTRC)のデータで判明した。

ここ数カ月の販売量減少により、メーカーは減産を余儀なくされている。

2022年1-5月には1560万台の携帯電話が製造された。だが、6-10月には1230万台にとどまり、当初5カ月より21%減少した。

当初、戦争がもたらした世界経済危機を受けて不況の急先鋒に立たされたのはスマートフォンだったが、現在フィーチャーフォンの売上も急落している。インフレ率上昇によって消費者の購買力が低下し、不確実性が深まるにつれて財布の紐を締めざるを得なくなったからだ。

「この6カ月間、あらゆるタイプの携帯電話の売上が減少しました。平均売上の3分の1しか記録できなかった月もあるほど落ち込んでいます」
スマートフォンとフィーチャーフォンの両方を製造するAnira InternationalのMdアシュラフ・ウディンCEOは述べた。

ドル相場の急激な上昇は、業界にとって大きな頭痛の種となっている。3月以降、バングラデシュの銀行間外国為替市場では、米ドルはタカに対して約24%値上がりしている。

SymphonyブランドのEdison Groupは、この6カ月間で25%の売り上げ減となった。Mdザカリア・シャヒド社長はこの不振は今年いっぱい続くと予想した。

輸入代金の高騰で外貨準備高が急減する中、政府は不要不急の品や贅沢品の購入を制限する方向に動き、LCの開設を制限している。その結果、生産にも遅れが生じている。

「準備高を守る政策により、LCの開設は難しく、時間がかかるようになりました。これが生産に支障をきたしています。ドル相場が下がり、インフレ率が下がれば、売り上げは回復するでしょう」
シャヒド氏は述べた。

また、デバイスの価格高騰も売り上げを押し下げている。ドル高が原因で1万タカ(1万2984円)の携帯電話は1万2500タカ(1万6230円)まで上昇、メーカーの利益を食い潰している。

ボシュンドラ・シティ・ショッピングモールにある携帯電話販売店Rio Internationalの店員サジーブさんは、ここ数カ月で売上が40%近く落ち込んだと述べた。

現在、大学院を修了して就職準備中のサミウル・イスラムさんは、古い携帯電話がまだ動いているため、新しい携帯電話を購入する計画を断念したと述べた。必需品価格が急上昇して家計費も上がっているからだ。

インフレ率は8月に10年ぶりの高水準となる9.52%まで急上昇した後、9月は9.10%、10月は8.91%となった。

2021年にバングラデシュで製造された携帯電話は計2950万台、そのうち約30%がスマートフォンだった。

バングラデシュでは、2017-18会計年度に始まった政府の巨額の税制優遇措置に助けられ、ここ数年、国内携帯電話の製造は目覚しい躍進を遂げていた。

Bangladesh News/The Daily Star Nov 28 2022
https://www.thedailystar.net/business/economy/news/mobile-handset-sales-fall-further-3181326
翻訳編集:吉本

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