借入増加でインフレリスク

借入増加でインフレリスク

【The Daily Star】流動性不足で商業銀行が必要な資金を調達できないため、政府はバングラデシュ銀行(BB)から借り入れを続けている。

だが、一貫してBBから借り入れを行えば、ここ1年間高止まりしているインフレを助長することになりかねない。

BBのデータによると、現会計年度(FY23)7月1日から2月9日まで、政府はBBから5212.9億タカ(6555.6億円)を借り入れた。FY22全体では3140.3億タカ(3949.2億円)だった。

「BBからの借入は、市場への新しいマネーの注入を意味します。これは通常インフレに悪影響を与えるます」
世界銀行ダッカ事務所の元主任エコノミスト、ザヒド・フセイン氏は述べた。

言い換えれば、これは紙幣や硬貨の流通量が増えていることを意味する。そして、このような形のお金は、実際の現金として引き出すことができるのは預金のごく一部のため、最大5倍に膨れ上がる可能性がある。

つまり、政府が借りた5212.9億タカは、最終的には2兆6064.5億タカ(3兆2778億円)になる可能性があるのだ。

人々の手に余分なお金が渡るということは、モノに対する需要を生み出し、物価水準を押し上げる可能性がある。

バングラデシュ統計局(BSS)のデータによると、1月のインフレ率は8.57%で、消費者物価が10年ぶりの高水準となる9.52%に急上昇した8月以降では最も低い数値となった。12月は8.71%だった。

銀行の信用状(LC)開設を支援するため、BBは7月1日から2月9日まで経済界に約95億ドル(1兆2723億円)を投入した。FY22全体ですら過去最高となる76億2千万ドル(1兆205億円)だった。

商業銀行が現地通貨と交換でドルを購入したため、銀行の流動性基盤は低下した。もし政府が商業銀行から資金を借りていたら、流動性状況はさらに悪化していただろう。

政府は、FY23の銀行借入目標を1兆633億4千万タカ(1兆3372億円)に設定している。

過去7カ月間、政府がBBから取り入れた資金のうち、1191億タカ(1498億円)は商業銀行への返済に充てられた。そのため、2月9日現在、政府の銀行からの純借入額は4021億タカ(5057億円)となっている。

フセイン氏は、さらに政府が商業銀行から資金を調達していれば、国庫短期証券や国債金利は急騰していただろうと述べた。

20年物国債の金利は、前年の7.67%から、1月には8.89%に跳ね上がった。フセイン氏は、政府が商業銀行からの借り入れを希望する場合、BBが国債の金利を9%以下に抑えることは不可能だという。

「そのような状況では、9%という融資の金利上限と政府証券の利回りの間にミスマッチが生じます」

銀行はBBの指示に従い、2020年4月以降、金利の上限を守っている。

現在進行中の歳入の弱さは、政府が銀行から多額の借り入れをしていることの一因だ。輸入が減少し、企業利益が減少する中、関税や直接税の低下で、今年度上半期の徴税の伸びは大幅に鈍化した。

国家歳入庁(NBR)によると、7-12月期の税収伸び率は前年同期比11%で、前年の17%から低下した。

一方、海外からの資金調達はここ数カ月減少しており、政府が目標に沿った支出を削減できず、BBから多額の資金を調達せざるを得なくなった時期に来ているとフセイン氏は述べた。

相互信託銀行(MTB) のサイド・マウブーブル・ラーマン社長は、政府がBBから借り入れを行うことは、商業銀行にとってプラスになると考えられるとした。

「もし政府が商業銀行から借り入れをすれば、商業銀行は困るでしょう」

政策対話センターの著名研究者ムスタフィズル・ラーマン氏は、商業銀行からの借入が減ることは商業銀行にとって良いことだが、インフレを刺激する可能性があるとした。

上半期の貯蓄証書への純投資額が大幅に減少したことも、政府が資金をBBに頼らざるを得なくなった原因の一つだ。

貯蓄ツールへの7-12月の純投資は、前年同期の959億タカ(1206億円)に対して、310.7億タカ(390.7億円)だった。

Bangladesh News/The Daily Star Feb 15 2023
https://www.thedailystar.net/business/economy/news/govts-higher-borrowing-bb-stokes-inflation-risk-3248101

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