女性のMFS口座比率低下

女性のMFS口座比率低下

【The Daily Star】国内ではモバイル金融サービス(MFS)の口座数は増加しているが、女性が保有する口座比率は低下している。アナリストらは、デジタル金融包摂とジェンダー平等には女性が多く参加することが不可欠なため、望ましいことではないという。

バングラデシュ銀行(BB)のデータによると、昨年12月末のMFS口座数は1億9100万件で、女性が保有する口座はそのうち42%、8010万件だった。

一方、2018年12月にMFS口座総数が6760万件だったときは、女性口座数は全体の47%を占めていた。

バングラデシュでは2011年のサービス開始以来、MFSがブームになっている。

2019年には122.8億タカ(160.2億円)だった1日の取引額は、300億タカ(391.3億円)近くまで増加した。

「MFS口座数の増加は良い兆候です。しかし、女性口座の比率が低下していることは、金融包摂や男女平等の観点からも想定されていません」
南アジア経済モデルネットワーク(SANEM)のセリム・ライハン常務理事は述べた。

ダッカ大学経済学の教授でもあるライハン氏は、多くの銀行が女性向け商品を導入しているが、対象となるユーザーに届いていないと指摘する。
「アクセスやデジタルリテラシーの問題があるのかもしれません。女性の参加を増やすためには、問題を特定する必要があります」

バングラデシュ銀行経営研究所のシャウMdオーサン・ハビブ教授は、女性の口座割合の減少は、国がMFSを通じた女性の金融包摂を促進するために、特別な努力をしていないことを意味すると考えている。
「女性に有利な積極的な差別が必要です。有利な政策と商品の両方が必要です」

MFSを展開するNagadのムハンマド・ザヒドゥル・イスラム広報部長は、特に農村や郊外の多くの家庭では、男性だけが携帯電話を使ってMFSサービスを利用していることが分かっており、厳しい子育てや社会不承認によって、女性のモバイルテクノロジーへのアクセスが制限され続けていると述べた。

「携帯電話利用者の身元を明らかにされると社会的汚点に繋がるため、女性が男性家族の名義で登録したSIMを使ってMFSアカウントを開設するケースが見られます。そのため、そのようなMFS口座は男性が持っているとされます」

イスラム氏は、女性が保有するMFS口座の全体的な比率は下降傾向にあるものの、女性が保有するNagadの口座数は業界平均よりはるかに高いと述べた。

「これは、私たちが正しい道を歩んでいることを反映しています。女性の積極的な参加なくして国全体の発展はあり得ないと考えているNagadは、とりわけ女性の金融包摂を早めるために懸命に取り組んでいます」

BB元総裁のアティウル・ラーマン氏は、コロナパンデミック時、衣料品労働者の賃金がモバイルバンキングシステムを通じて振り込まれたことで女性のMFS口座が増加したという。

「女性の一部がエージェントバンキングに切り替えたのかもしれません」
ラーマン氏はパンデミック後、農村部から都市部への男性の移動が増えたと付け加えた。都市部に移住する際、男性は故郷に送金するためにMFS口座を開設するという。

「これが、女性のMFS口座保有比率が低下したもう一つの理由かもしれません」

最大手のMFSプロバイダーbKashのシャムスディン・ヘイダー・ダリム法人部長は、女性の金融サービスへのアクセスと利用を加速させるため、常に意識改革を進めているという。

過去12年間、MFSプロバイダーは、女性を金融システムに取り込み、日々の金融取引を管理する自由と独立性を与えるために全力を尽くしてきたとし、バングラデシュ開発研究所によるbKashの事例をもとにしたMFSの影響に関する調査に言及した。

調査によると、モバイルバンキングは女性の移動の自由、家族の意思決定、収入創出活動への参加、宝飾品や家計貯蓄の所有に寄与しているという。

同じくMFSプロバイダーupayのシャムスッゾハ法人副部長は、MFSプロバイダーは女性顧客の減少を確認していないとした。

Bangladesh News/The Daily Star Mar 7 2023
https://www.thedailystar.net/business/economy/news/women-owned-mfs-accounts-falling-3265081
翻訳編集:吉本

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